意識の地域差
教育との関係は

  本紙のアンケートに表れた地域差。その原因の1つとして、現在の学生が受けてきた教育の影響が挙げられる。

 ニュースネット委員会の取材によると、兵庫県では全市の教育委員会が、各小中学校が震災に関する何らかの教育を行っていることを把握していた。特に神戸市においては震災直後から、各小中学校でさまざまな取り組みが行われてきた。

 毎年1月17日か、あるいはその前後には、ほぼすべての学校で全校集会が開かれる。集会では、黙とうをささげたあとで、神戸の復興を願って作られた歌「しあわせ運べるように」を全校生徒で合唱する。さらにこの時期には、地域と学校が連携して防災訓練を行うこともしばしば。単なる防災訓練ではなく、震災に関する映像教材を見せたり、地域の防災コミュニティや消防署の職員を講師として招いたりして、子どもらに強い防災意識が根付くような工夫がなされている。

 各学校では、教育委員会から提供された教材を独自に工夫して使用し、実際の防災教育に生かしてもいる。その中のひとつに、防災教材「幸せ運ぼう」を使った指導がある。「幸せ運ぼう」は、震災当時がどのような状況であったか、その経験をどのように生かしていくべきかを子どもらに伝えることを目的とし、神戸市教育委員会がいち早く作成した冊子だ。内容が幅広く、授業時間の関係ですべてを網羅(もうら)することはできないが、各小学校の教員が、生徒の学年や特性に応じて内容を選別する形で活用している。

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