遺族の1.17
「未来」につなぐ 21年の思い 「1.17のつどい」
2016年1月20日配信 記者=竹内涼
つどいの模様(撮影=池之上春花)
戦後最大級の被害をもたらした阪神・淡路大震災から21年がたつ。17日、東遊園地(神戸市中央区)では「阪神淡路大震災 1.17のつどい」が開かれた。犠牲者を悼む約7500本の竹灯篭に火が灯され、地震が起きた午前5時46分には黙祷がささげられた。
来場者と握手する白木利周さん(左、撮影=池之上春花)
竹灯篭で形作られた「未来」の文字。ことしから始まった公募で選ばれ、「1.17」の文字の上に添えられた。「『未来』(という文字)だけが一人歩きしてしまう、間に隠れている文字(思い)を見て。1.17があるから未来に向かっていける」と語るのは白木利周(としひろ)さん。震災で息子の健介さん=当時(経済・3年)=を亡くした。
21年がたち、大学生の大半は震災を体験していない、もしくは記憶がない世代だ。しかし、知らないからこそ参加するという学生もいる。東遊園地に来るのは初めてだという奥野智晴さん(神戸大・4年)は「来てみて思ったのはとても寒いこと。突然外に放り出されて、この寒さはつらかっただろう」と当時の被災者の気持ちに寄り添う。
ことしの来場者は午後9時まででおよそ6万1千人で、初開催以降3番目の多さだった。いくら歳月が流れようと風化させてはいけない、そんな思いが表れた式典となった。
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