未来へ継ぐ
ロボット使った救助技術に「竸基弘賞」
2016年1月19日配信 記者=嶋田敬史
左から、亀川哲志氏、広瀬茂男氏、木村哲也氏(撮影=嶋田敬史)
地域人材支援センター(兵庫県神戸市)で今月13日、第11回竸基弘賞授賞式が開催された。竸基弘賞は、阪神淡路大震災で亡くなった竸(きそい)基弘さん=当時(自然科学研究科・博士前期課程)=の名を冠して、国際レスキューシステム研究機構からレスキュー技術に貢献した研究者らに贈られる賞だ。ことしは、岡山大大学院講師の亀川哲志氏、長岡技術科学大専門職大学院准教授の木村哲也氏、東京工業大名誉教授の広瀬茂男氏らが受賞した。
受賞後、3名はそれぞれの研究に対する思いを述べた。
ロボット分野で先端的な研究を続ける広瀬氏は、知的スポーツの導入や人間に代わるロボットの使用範囲など持論を展開した。木村氏はロボットを災害現場で使うための規格とその重要性について、亀川氏は長年研究を続けているヘビ型ロボットについて語った。震災当時高校3年生だった亀川氏は、阪神淡路大震災を知らない世代の学生に対して「君たちが経験した東日本大震災を忘れずに、そこから何をすべきか深く考えて日々勉強をしてほしい」とメッセージを送った。
「ドラえもんのように何でもできるロボットをつくりたい」というのが竸さんの思いだった。そのような平穏な日々のもとにも震災は突然襲ってきた。竸さんの恩師だった松野文俊氏は、竸さんが亡くなったと聞いたときはあまりに唐突で信じることができなかったという。震災の日を振り返り松野氏は、「明日生きているか分からないという事態がある。だから、今日を悔いの無いよう精一杯生きて、人を助けることに貢献してほしい」と、会場に集まった人々へ発した。
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