呉ショウさん
当時:営・二年
出身国:中国
出身高校:控江中学校
被災地:神戸市灘区琵琶町3−7−6ニュー六甲ビラ106号
談話:呉美英さん(友人)
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友人の分も頑張ると約束
私の友達が、私の部屋の下に住んでいました。崩れたアパートを外からぐるりと見てみましたが、友達の部屋は少しのすき間もなくつぶれていました。
近所の人に助けを求めましたが、まず、助けを求めている、すなわち生きているという反応のある人を先に救助するという返答しか返ってきませんでした。できるだけ早く友達を助けないと、という思いが痛切でしたが、場合が場合だったので、それ以上は言えませんでした。しかし、友達がそんな状況であるのにもかかわらず、何もできない自分が恨めしかったです。
私たちは日本語学校の寮に住んでいたときから親しかったです。私たちは、同じ名字で同じ大学に入学したことで、ますます友情を深めてきました。時には学校は一緒に行き、時には買い物を一緒にしました。料理を作れば分け合って食べ、CDやテープも交換しながら聞きました。悩みがあれば互いに相談し合ったのに・・・なのに・・・。
近ごろは勉強などで忙しく、震災のことを思いだすことは、あまりありません。でも、六甲道から三宮に向かう途中で、電車の窓から呉さんの住んでいた下宿が見えると、一緒に買い物をしたことなどが思い出されます。私はつい最近まで、JRに乗れませんでした。
毎年、一月には下宿にお茶をお供えします。でも、行くのは辛いです。
もう震災のことは思い出したくない、という気持ちもあります。でも、忘れたくはありません。私は友人の分も頑張ると、約束したのですから。
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