1998年1月16日発行『神女院大K.C.Press』紙面より
《特集》阪神大震災から三年
神女院大K.C.Press

阪神大震災から三年
いま、後輩たちに伝えたいこと


 阪神大震災から三年。大学は大きな転機を迎える。震災を体験した四年生が卒業を迎え、大学生として被災した『世代』がいなくなるからだ。
 突き上げるような激震を体で感じ、がれきの町を友を探してさまよい、水を汲み、避難所で暮らし、ボランティアに打ち込んだ『世代』のほとんどが、この神戸大学から巣立っていく。
 震災直後の日々から、先輩たちは何を学んだのか。卒業を前にした四年生や、大学院生、OB、教官に、「いま、後輩たちに伝えたいこと」を聞く。(『神戸大ニュースネット』『関学新月トリビューン』『神女院大K.C.Press』の三紙の共同企画です。)


震災を期に苦情高まる
メタセコイヤ伐採 消えた苦情と深緑

メタセコイヤ
【写真】バッサリ切られたメタセコイヤの木
 正門前の赤ポスト近くメタセコイヤの木が付近の住民の苦情を受けてついに伐採。樹齢三十年ほどで、十数メートルの高さを誇っていたこの木は、深緑が美しく、その雄大さは本学の自然美を引き立たせていた。が、その反面、落ち葉の量も並ではない。付近の住宅のとゆを詰まらせるなどして、長年大学に苦情がたえなかったが、三年前に阪神大震災が直撃。住民の多くは、暗い気持ちを心機一転しようと住宅を新しくした。だが、やはりとゆは詰まる。苦情の声は高まり施設課は伐採へと踏み切った。伐採といっても三年で山形に戻る。もちろんこれからは屋根の高さは超えぬよう成長する木の高さを押さえながら育てる。伐採された木にもう苦情の声はない。しかし一方では深緑の美しさを失ったことを悲しむ声もある。


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