松久保愛香さん
昭和49年3月17日
当 時:大阪大学医療短期大学部・診療放射線技術3年
被災地:尼崎市常松1−29−5
出身高校:鹿児島県立錦絵江湾高等学校
執筆:喜代子さん(母)
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同じ高校通う弟 重なる娘の記憶
娘は尼崎に単身赴任をしていた主人と、木造二階建ての家に同居していました。娘が短大に合格したときは、家族全員で、尼崎に移る計画もありましたが、弟の中学の関係もあり、結局別々で生活をしました。
地震が発生し、建物は全壊。発生から三時間後、主人が先に助け出されました。主人は助けられるまで、娘の名前を呼びつづけましたが、返事はありませんでした。助けだされ、救助の人に娘のことを話しましたが、「返事がある人の救助を優先させたい」ということで、主人も了解しました。
十九日に、家族全員で現地を訪れました。そして娘の学校の仲間とともに、仮のお葬式をあげ、また二十日は娘とともに実家の鹿児島に戻り、家族そろってお葬式をあげました。
主人はずっと娘と一緒だったこともあり、離れて暮らしていた私とは随分意識が違うようです。私の場合は、離れていただけに、まだどこかで、娘は生きているのではないか、と思います。
弟が、娘と一緒の高校に通っています。学校から行事案内なんかが届くと、娘の時の記憶と重なり、娘の姿を思い出します。
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