後藤大輔さん
昭和49年7月12日生まれ
当時:神戸大・経済学部2年
クイズ研究会QUICK
被災地:神戸市灘区神前町1ー1ー25 吉岡文化住宅
出身高校:福岡県立筑紫ヶ丘高校
執筆:後藤美良さん(父)

 

息子の夢に引き継ぎ、
大変さ痛感


 ある日「五年目の震災手記」の執筆依頼がきていた。
 その時もう書きたくないと自分の中に拒絶反応が起きた。
 書けば色々の事を思い起こすからだ。
 あの時の辛かったことが頭にこびりつき気持ちが沈み込むのです。
 辛いことは思い出したくないのです。
 夫婦で大輔の話をする時は二十年間の思い出であり、仮定未来(もし生きていたら)の会話なので気持ちが落ち込むことはないのです。
一度は書くまいと決めたのを再度ペンを取らせることになったのは人それぞれの思いを追悼手記の形として残しておきたいという編集者皆様の熱意に応えるべきと思ったからです。
 もう一つの理由は神戸大学震災犠牲者四十四人への追悼手記で多くの方に関心を寄せて頂けたことに対して、現在までの経過を報告したいと思ったからです。
大輔がめざした鉄道二万キロ完乗の夢を引き継ぎ、残り二千キロの乗車を達成すべく、この五年間、鉄道の旅を続けて来ました。
残りようやく三百キロまでになりました。しかしここにきてなかなか思うように減りません。
 「思い」「夢」をチャレンジし続けることの大変さを痛感しています。
それにしても大輔は小学生から大学生になるまで夢にチャレンジし続けたことをいまさらながら驚くと同時に誉めてやりたいと思います。
何事も続けることの大切さを教えられた気がします。
親として、あらためて必ずや二万キロ完乗を達成し後藤駅に降り立ちたいと思います。 


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