沈 一春さん
当時:理学研究科修士課程
出身国:中国
出身大学:東北電力大
被災地:神戸市東灘区本山南町7−5−17 吉田荘3号室
談話:担当教官・増田嘉考さん(元神戸大学理学部助教授)
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本当に残念 頭を打たれる思い
先日、神戸のルミナリエを見に行きました。大勢の若いカップルを見て、新婚だった沈さんのことが思い出だされました。
沈さんはご主人とともに日本に留学され、神戸の日本語学校に二年通われた後、理学部の研究生として神戸大に来られました。
私がセンター試験の監督をしていたとき、沈さんは隣の部屋で修士論文を仕上げていました。
その二日後、沈さんは被災されました。梁の下敷きとなり、亡くなったのです。
ご主人は助かり、この年の三月に中国へ帰られました。お二人にはお子さんがいました。震災から一年ほどした後、中国で私は沈さん
のご主人とお会いしました。お子さんには、沈さんが亡くなった事実を、まだ知らせていないのだと、そのときおっしゃっていました。
ただ、せめてもの救いは、彼女の修士論文を提出する事ができ、修士号が授与されたことです。
私は、毎年一月十七日には、大学の慰霊碑に追悼に行きます。本当に残念です。頭を打たれるような思いです。
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