神田 徹さん
昭和44年11月29日生まれ
当 時:神戸商船大・商船システム学・院1年
被災地:神戸市東灘区青木町2ー16ー17 阪神アパート8号室
出身高校:横浜市立東高校
執筆:慶子さん(母)
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生きていく力が 抜けていったあの日
一月十七日、午前五時四十六分
人生最悪の日、あれから五年、息子はいないのに私はまだ生かされている。ただ悪趣味に、神戸での六年間息子は精一杯生きた充実した青春を送ったのだと自分に言い聞かせるあきらめきれないこの心に、積み重ねて来たものをいかして生きて行くのがこれからなのに絶たれてしまった命。今迄の私達の人生は何であったのか、夢も希望もなく、生きて行く力が抜けていったあの日、主人もこの三月他界し娘と二人っきりの生活、喜怒哀楽の感情も家族四人揃っていればこそ素直に一〇〇%受け入れることが出来た。今は何分の一くらいの感じ方しか出来なくなってしまった。
心の中の隙間は生涯埋まることはない、おそらく各御家庭で希望の星であり自慢の息子、娘であったに違いない子供達のことを失った親同志思いっきり話し合い同じ悲しみに同調できたら少しは心が癒されるかもしれない、そんなことを考えたりもします。皆さんはどうしているのでしょうか。
私が今なんとかやっていられるのは息子の友人達、神戸商船大学の先生達、一度もお会いしたことのない後輩の皆さんのはげましのおかげです。ありがとうございました。お世話になりました。どうぞ息子が生きられなかった二十五才以上の人生を思いっきり生きてください。
神戸商船大学の皆様、各大学の学生の皆様へ
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