五井野香織さん
昭和45年7月13日生まれ
当時:大教大大学院教育学研究科2年
被災地:神戸市中央区下山手通8ー12ー9
出身高校:広島県立大門高校
執筆:千鶴さん(妹)
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この経験、 何かに生かせれば
阪神大震災の日から今日まで、様々な出来事があり、私の心の中も、様々に変化しました。一緒にいた姉が、この地震で亡くなり、周りの人の助けがありながら何もする気になれませんでした。しかし、心配かけまいと、仕事もはじめ、なんとか普段どおりの生活をはじめました。少しずつ仕事をはじめた頃、姉の追悼コンサートをしようと企画してくれた方があらわれました。ヴァイオリンを弾いていた姉をしのんで両親が自費で作った姉のヴァイオリンのCDを聴き、是非コンサートをしたいというものでした。うれしかったです。会った事もない姉の事を思い、姉の勉強したヴァイオリンの演奏を認めて下さる方がたくさんいたことを改めて知り、はげまされました。何人もの方の主催で大阪や福山などで、追悼コンサートやチャリティコンサートに多数参加させていただき、うれしい反面、姉が死んだ事を深く思い知らされるので、いやだと思った事もありました。でも、主催者のあたたかい心づかいにただ支えられるばかりです。毎年この年末年始の時期になると、情緒不安定になってしまいます。まだ震災の事を思い出しては胸をしめつけられます。でも「忘れたい出来事」ではなく、これからこの経験を何かに生かせられればと思います。
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