柳 和樹さん
昭和39年7月15日
当時:甲南大学大学院人文科学研究科博士後期課程
出身高校:兵庫県立加谷越高校
出身大学:信州大学経済学部
被災地:神戸市灘区灘南通6-1-19 正和荘11号
談話:輝代美さん(母)

 

「お母ちゃんには
何も言うてくれん」



 信州大学の経済学部に行ってました。そこで山本先生いう、いい先生に出会って、甲南の院に進学するいうてね。「自分の進みたい道に行くんや」いうて、実家に帰るっていったら、金のいるときだけでした。
 十七日はずうっと連絡がなかったから、どうしとるんやろと思って。そしたら友人の女の子から「病院に入った」って、電話があってね。それから夜八時に家を出て、いつもなら二時間で着くのに、午前二時三十分になって、ようやく金沢病院に着きました。
 ・・・地震さえなければねえ。日頃から「勉強したい」言うとったから、できただろうに。四月からちょうど「中国に行こうか」って、言うとったんです。
 家には帰ってこなかったけど、お父ちゃんには、よう電話しとったみたいですよ。お母ちゃんには、なあんにも言うてくれんかった。(父親は)かなりショックを受けてました。こないだ、亡くなったばかりなんですけどね。


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