戸梶道夫さん
昭和49年6月25日生まれ
当時:神戸大・経営学部2年・桜井ゼミ
バドミントン部
被災地:神戸市灘区記田町5ー5ー4 岩木文化
出身高校:大阪府立三国ヶ丘高校
写真:左
執筆:幸夫さん(父)
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写真の君は いつまで経っても20歳
あの日から五年が経過しようとしています。
毎晩お線香をあげながらその日にあったことを報告して、うれしいことがあった時は君がいてくれたらきっとこんなふうに一緒に喜んでくれただろうなと思い、またつらいことがあった時には君がいてくれたらきっとこんなにつらくないだろうにと思いながら過ごす毎日です。
月日の経過とともに、思い出して涙を流すことは少しづつ少なくなりましたが、君の前途を奪ってしまったことへの悔恨の気持ちはよリいっそう強くなってきます。いつも語りかける写真の君はいつまで経っても二十歳のままです。生真面目で何事にも一生懸命にやってきた君が今も生きていたらどんな人間になっていただろうか。君にこんな経験をさせてあげたかったと思うと、どうしようもない気持ちになってしまいます。「あのときにもし…していたら」「私達が何とかしてやれなかったのか」といくら思ってみても今ではどうしようもないのに、どうしてもそのことの繰り返しになってしまいます。今まで経験したこともない地震という仕方のないことと思いつつ、も、どうしてもこの思いはぬぐい去れません。本当にどう考えてみても残念で残念で仕方ありません。
平成11年11月28日 戸梶幸夫
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