【東日本大震災】現地の仲間を後押し 救援隊・西山さん


 3月11日に発生した東日本大震災。支援活動のため、現地に向かった学生らを陰で支える人がいる。【3月25日 神戸大NEWS NET=UNN】?

 経済学部4年の西山奈央子さん。1年生の時から被災地の支援活動などを行う「学生震災救援隊」(以下救援隊)に所属。中越・中越沖地震や能登半島沖地震の被災地、最近では新燃岳(しんもえだけ)の噴火で被害を受けた宮崎県で足湯をするなど、精力的に活動してきた。?


 三重県出身。元々ボランティア活動とは無縁で、阪神・淡路大震災について詳しく知らなかった。東洋医学に興味を持ち、足湯隊として活動するうちに震災について知る機会が増えた。だが、「自分が(災害について)何も知らないことに気づいた」と西山さん。より深く知るため、卒業論文では阪神・淡路大震災からの産業復興について研究した。?
 就職を間近に控えた3月、東日本大震災が発生した。救援隊の学生2人が発生直後に現地入りし、西山さんも「現地で支援したい」と志願。11日に神戸を発った2人に続き、第2陣として現地に向かうつもりだった。だが、現地が混乱していることや、日々悪化する原子力発電所の事故が現地入りを阻む。13日に開かれた救援隊の会議。自分の身を案じる仲間の涙に引き止められた。?
 現地に行けない悔しさと無力感。葛藤(かっとう)はある。それでも「へこんでいても、何もできない」。ここで出来ることはないのか。考えた末に後方支援に回った。救援隊の学生らとともに現地で活動するメンバーが所属する「被災地NGO恊働センター」(神戸市兵庫区)でほぼ毎日、メディアや現地からの情報収集に努めた。日を追うごとに明らかになる被害。錯そうする情報に不安が募る。「(現地の学生らが)夢に出てくる。無事に帰ってきてほしい」?
 卒業後はシステムエンジニアとして就職する。だが、今後も支援活動にも携わるつもりだ。「(被災地のことが)気になるし、離れられない」。支援の気持ちに、卒業はない。

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