神戸大の学生へのワクチン接種開始から1週間。モデルナ社製では副反応は接種の翌日に最も頻度が多く、疼痛が7割の人に、倦怠感、頭痛、筋肉痛が2割の人に出るという報告があり、1~2日でおさまるとも報告されている。初日に接種を受けた2人のニュースネット記者の副反応も3~4日目にはおさまっている。<取材班>
(写真はいずれも、学生接種初日の様子。2021年7月5日午前。神戸大広報課撮影。)
●接種済みの学生は「腕の痛みや倦怠感 3、4日でおさまる」
7月2日に受け付けた第1次枠の学生接種第1陣。初日の7月5日(月)午前に接種を受けたニュースネットの記者2人は、ともに腕の疼痛の副反応を訴えている。その度合いには個人差もあるようだ。
▽2年男子 T記者
1日目 打った直後から腕がジーンとした違和感。走ったりすると少しだけど気分が悪くなる。夜にはだいぶ腕が痛く、上がらないほどになる。
2日目 朝起きたら倦怠感があり、体がだるい。熱はいつもより少し高いかなと思うほどで、発熱はなし。時間が経つにつれ、だるさは消えていくが、腕の痛みはピークに。
3日目 腕の痛みも体のだるさもほとんどなくなり、運動もできるほどに。
4日目 ほとんど平常に。少し触ると痛い程度。
▽1年女子 O記者
1日目 腕がジーンとする感じ。腕全体のだるさを感じる。夜は腕が痛くて寝返りがうてず、寝不足に。
2日目 腕全体のだるさあり。腕の痛みにより衣服の脱着で苦労(1日目も)。
3日目 ほぼ副反応は治まる。
●接種直後の副反応は「接種部位の疼痛」「倦怠感・頭痛・筋肉痛」など
京都大学iPS細胞研究所教授の山中伸弥さんが開設したサイト『山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信』が、モデルナ社製mRNAワクチンの副反応について、アメリカ疾病対策予防センター(CDC)の報告(2021年4月5日)を紹介している。
それによると、副反応は接種の翌日に最も頻度が多く、モデルナ社製ワクチンの方がファイザー製より頻度がやや高い傾向にあるとしている。
1回目接種では、「接種部位の疼痛」がモデルナで約71%、「倦怠感・頭痛・筋肉痛」が約20%に、「悪寒や発熱」が約10%に報告されている。
2回目接種だと、「接種部位の疼痛」は約78%、「倦怠感・頭痛・筋肉痛」が約50%に、「悪寒や発熱」が約40%あったと報告されている。
こうした接種直後の急性期の副反応は、65歳以上と65歳未満を比べると、65歳以上の方がいずれの副反応の発生頻度も低かったと報告している。
同サイトは「これらの副反応はいずれも接種当日から2日目に報告され、1~2日で軽快するようです」としている。
これとは別に、モデルナワクチン接種後、1週間後くらいに、接種部位の皮膚反応が1回目接種後は0.8%の頻度で、2回目接種後は0.2%の頻度で発生したことが、臨床試験の結果で報告されている、と伝えている。(山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信「モデルナ社製mRNAワクチンの副反応」https://www.covid19-yamanaka.com/cont11/56.html )
●10日後あたりで「皮膚が赤くなる」「かゆくなる」遅延性皮膚反応
一方、遅延性の反応も報告されていて、7月10日のNHKニュースは、厚生労働省の研究班のデータとして、9日目に腕が赤くなっていた人は全体の3.5%、10日目が4%で、11日目以降は2.6%でした。
腕のかゆみが出ていた人は、接種から9日目が2.7%、10日目は2.4%で、11日目以降は1.3%だったということです。
中には25日目まで症状が続いた人もいて、40代の発症が目立ったと伝えている。(NHK NEWS WEB「モデルナワクチン接種後 腕が赤くなる症状 9日目に3.5%の人に」https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210710/k10013132201000.html )
●服用可能な消炎鎮痛剤はタイレノール、カロナール、ロキソニンなど
神戸大のサイトでは、接種後の注意が記されている。
▽注射した部分は清潔に保つように。
▽接種当日の入浴は問題ないが、注射した部分はこすらないように。
▽接種当日の激しい運動や過度の飲酒等は控えるように。
さらに、ワクチン接種後に発熱や筋肉痛、関節痛が出現した場合に服用可能な医薬品も記されていて、
▽「タイレノール」、「カロナール」などのアセトアミノフェン系薬剤。
▽および「ロキソニン」などの非ステロイド系消炎鎮痛剤。
▽症状が出る前にこれらの薬剤を服用することは推奨されていない。
とある。
詳細は神戸大サイト「新型コロナワクチンの接種について」(https://www.kobe-u.ac.jp/NEWS/sub_student/2021_07_01_01.html )を参照のこと。
了
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