準硬式野球部は９月２９日、わかさスタジアム京都（京都市左京区）で行われた関西六大学準硬式野球連盟秋季リーグ戦第２節の第１試合で、春季リーグ王者の関学大と対戦。先発の村上が８回１失点の好投を見せるが、チャンスで得点を逃し惜敗を喫した。３０日も関学大と対戦する。＜尾畑陽貴、本多真幸＞

　神戸大は関学大相手に、２０２０年秋季リーグ以降８連敗中。さらにこの日の関学大先発はその年、神戸大を相手に完全試合を決めた池端投手。そんな難敵を相手に、神戸大の先発は、新人ながら秋リーグ２回目の先発を任された村上冬真（済１年）だった。村上は、高校時代に投手経験がなかったが、神戸大の人員不足もあり、投手に抜擢された選手。練習試合では最長３回しか投げていないが、前節の同大戦で先発し、負け投手にはなったものの６回を４安打３失点で投げ切った。

　村上は３回まで関学打線をノーヒットに抑えるが、神戸大もチャンスを作れず両者得点なし。動きがあったのは四回ウラ、関学大の攻撃。制球に苦しんだ村上は、四死球も絡んで無死満塁のピンチを迎える。しかしショートの大野真人（工３年）がライナーを好捕して、併殺。続く打者もフライに打ち取って無失点で切り抜ける。「村上が頑張って投げているので、守備で助けてやろうという思いでした。」と大野はこのプレーを振り返る。

　５回ウラにも神戸大にピンチが訪れる。無死一塁からショートへのゴロ。併殺のチャンスだったが、セカンド勝裕颯の一塁への送球が一塁手の後方へ逸れ、この間に打者走者は二塁へ。一死二塁となったのち、続く打者がセンターへヒットを放つ。二塁ランナーはホームへと帰り、関学大に先制点を許す。なおも四球や左安打で一死満塁の危機。ここで神戸大の内野陣がマウンドへ集まり一呼吸置く。

　その直後、打者をセカンドゴロの併殺に打ち取り、この回を最少失点で切り抜けた。村上は「内野の声掛けがあって、自分を奮い立たせて投げることができました。」と語る。

　関学大の猛攻を１点で凌いだ後の６回表、神戸大に得点のチャンスがやってきた。先頭の２番大野がセンター前ヒットで出塁すると、続く３番多治見春樹（国人２年）が送りバントでランナーを２塁へと進める。１死２塁の好機で４番大塚俊輝（国人３年）が中安打を放ち、二塁走者大野が三塁を回って本塁を狙うも、タッチアウトとなる。その後前田直耶（理３年）が二塁打を放って２死２，３塁と再びチャンスを作るが、代打阿部一太（海政２年）が右飛に倒れ、この回、神戸大は無得点に終わった。

　６回裏以降、村上と池端両投手の好投で互いに１点も許さない展開が続き、結局神戸大は１点差を追いつけず０－１と惜敗を喫した。しかし、村上が強敵を相手に自己最多の８回を被安打６の１失点で投げ切る成長を見せた。村上は「今日は１回１回を丁寧に投げ切ることを意識した。自分には私大の投手のようなスピードはないけれども、確実にストライクゾーンに投げるという、自分の強みを生かした投球を今後も伸ばしていきたい」と振り返った。

　片岡昌也主将（海事３年）は試合後に「春の優勝校を相手に、挑戦者の気持ちで臨んだ。村上もいいピッチングをしたし、バッティングでランナーをためることができたのは大きな成長だったと思う。この試合で学んだことを次の試合につなげたい。」と語った。

　試合後のインタビューで尾上コーチは「かつて完全試合を喫した関学大の池端には、なんとか一矢報いたかったのだが、敗れてしまって悔しい。明日はバットを短く持って、しっかりと強いゴロを打つことを意識して臨みたい。」と試合内容を振り返りつつ、村上について「今回は最後まで投げ抜いてくれて、彼の成長を実感した。」と述べた。

　また、守備ではファインプレー、攻撃では二安打と活躍した大野選手は「リーグで長く培ってきたことが、守備やバッティングで出せたと思う。明日の試合では内野のエラーを無くして勝ちに行きたい」と意気込みを明らかにした。

　秋季リーグの第２節、関学大との第２試合は９月３０日（金）、わかさスタジアム京都で午前１１時１０分から開催される。次こそ関学戦の連敗を止められるか。

《関西六大学準硬式野球秋季リーグ第２節（わかさスタジアム京都）》
神戸大０００ ０００ ０００｜０
関学大０００ ０１０ ００Ⅹ｜１

了