コロナ全変異株に有効な中和抗体開発 治療薬への応用に期待

 兵庫県と神戸大は、新型コロナウイルスの現在確認されているすべての変異株に対して有効な「ユニバーサル中和抗体」を獲得したと発表した。今後発生が予想される新たな変異株にも対応できる予防薬や治療薬への応用が期待されるという。<久保田一輝>

(画像:医学部医学科のホームページ。)

 中和抗体とは、体内に侵入したウイルスを攻撃し、不活化する能力のある抗体。ウイルスを排除し、感染を防ぐための役割も担っていると考えられている。

 兵庫県と森康子教授(医学研究科附属感染症センター長、臨床ウイルス学)らの研究グループは、“パンデミック初期に流行した欧州株に感染したことがあり、さらに新型コロナウイルスmRNAワクチンを2回接種した人”の免疫細胞から取り出した抗体遺伝子をもとに「中和抗体」を10種類作った。このうち1種類に、現在感染の主流となっているオミクロン株「BA・5」を含む様々な変異株に対して、有効性が確認された。

 今回開発された中和抗体は、新型コロナウイルスのスパイクタンパク質のうち「変異が起こっていない部分」に結合するため、幅広い変異株に対して効果がある。研究グループは、様々な変異株に対して有効なユニバーサル中和抗体として、今後発生が予想される新たな変異株にも対応できる抗体医薬の開発を目指している。

 森教授は10月25日に兵庫県庁で行われた会見で、「今のところは今まで出ているすべての変異株を中和できる抗体。ワクチンを接種してもなかなか免疫を獲得できない免疫抑制者の方には必須かなと思っている。」と話した。

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