7月2日に開始した神戸大のワクチン接種の第1次枠の予約受け付けは、わずか4分で埋まった。学生支援課は、次週7月12日以降の予約枠も、「1週間単位で公開していく」とサイトで公表、神戸大関係者は、「神戸大1万5000人分の国への申請は既に通っている。安心してほしい」と話しているが、厚労省は「事態がひっ迫している。申請分については大丈夫だと思うが、もしかしたら国から大学へ何か連絡をすることがあるかもしれない」と話している。<塚本光、大木凛、昌子奈未、前田万亜矢>
(画像:「7月12日以降の予約枠は近日中に公開します」「1週間単位で公開されます」の告知。神戸大サイトのスクリーンショット。2021年7月2日16時8分)
●今回の第1次予約は840人分と推定 順調に進んでも後期開始に終わらない
神戸大は7月2日正午から新型コロナウイルスのワクチン接種の第1次枠の受け付けを開始したが、わずか4分で予約は埋まった。
今回の予約枠は月曜と火曜が午前・午後の6コマ、水、木、金曜は午前の3コマだった。当初各コマ「残40」と表示されていたので、全部で21コマ840人と推測される。840人の受付が、約4分で終了したことになる。
神戸大の学生1万6000人の約7割が「大学での接種希望」と、ニュースネットのTwitterアンケートに答えている(7月2日13時30分現在)。仮に1万人が接種希望で、順調にワクチンが入荷し毎回1000人ペースで受け付けたとしても、1回目接種が9月10日ごろに終わり、2回目が10月8日に終わることになる。 このまま順調に接種が進んだとしても、後期開始までには終わりそうにはない、という計算になる。
●大学は次週以降も予約を受け付けると公表も 供給量は「国を信じるしかない」
15時過ぎに学生支援課は、「7月12日以降の予約枠は近日中に公開します。ワクチン供給数の決定が1週間単位であることから、1週間単位で公開されます。ご迷惑をおかけしますが、ホームページをこまめにチェックください」と公式サイトに告知を出した。
神戸大の別の部局の関係者によると、「確かにワクチンの供給量は減っているが、(第1次枠として)受け付けた一週間分は確実に確保している」、「今後の予約も、確実に確保できるワクチン量に合わせて、一週間単位で受け付けることになると思う」という。
では、来週分も確実に予約受け付けが行われるのか、については、「今のところ国を信じてやるしかない」と心もとない。「モデルナ製のものは供給量が減ってきているが、大学外の大規模接種センターでモデルナからファイザーに変更するという話も出ているので、もしそうなれば今よりは安定するだろう」と希望的観測を話してくれたが、折しも同じ7月2日、神戸市がファイザー製ワクチンの供給量が今後大幅に不足する見込みだとして、全ての接種会場新規予約を一時停止するほか、6日以降の1回目接種予約を全てキャンセルすると発表している。
●神戸大「1万5000人分の申請は通っている」 厚労省「大丈夫だと思うが…大学へ何か連絡をするかも」
神戸大関係者は、「神戸大1万5000人分の国への申請は既に通っている。安心してほしい」と話しているが、国はどう答えるのか。
7月2日午後の取材に、文部科学省大学等ワクチン接種加速化検討チームは、「9月末までにモデルナのワクチン5000万回分の輸入が決まっているので、必要な分については確保ができていると認識している。しかし、あくまで9月末までの供給量であり、順次輸入するため全国一斉に…とはいかない。大学側も接種の人数や時期などを適切に調整してもらう必要がある。国の方でも時期や人数を調節し、対応していきたい」と答えていて、9月末までの見込みを答えるにとどまっている。
一方、厚生労働省健康局予防接種担当は、ワクチン供給の今後の目処は未定という。ニュースネットの電話に、「事態がひっ迫しているため、申請分については大丈夫だと思うが、もしかしたら国から大学へ何か連絡をすることがあるかもしれない」と答える。
▼神戸大サイト「新型コロナワクチンの接種について(7月2日更新)」=
https://www.kobe-u.ac.jp/NEWS/sub_student/2021_07_01_01.html。
了
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