フィギュアスケート全日本選手権の男子SPが12月23日、大阪府門真市の東和薬品ラクタブドームで行われ、壷井達也(シスメックス所属、国人2年)が出場した。シニアデビュー後初の全日本でプレッシャーもあり、最初の4Sで転倒したが、その後は安定した演技を見せ、SP11位となった。25日(日)17時から男子FSの演技が行われる。<本多真幸、尾畑陽貴>
2年連続6回目(2019年は怪我で棄権)の出場となった壷井は、SP(ショートプログラム)で30人中27番目で演技。楽曲はレッド・ツェッペリンの「天国への階段」を演じた。1本目はジャンプの安定性が課題となっていた4回転サルコウだったが、着氷時に転倒し、さらに回転不足もとられてしまった。直後のトリプルアクセルでは持ち直し安定した演技を見せた。演技後半ではトリプルルッツとトリプルトゥーループのコンボも決めた。演技終了直後、悔しげな表情を垣間見せた。
一方、演技後半の曲が盛り上がるパートでは、リズムに合わせた振付で魅せ、観客から手拍子で声援が送られた。演技終了後には会場全体から大きな拍手が送られた。立ち上がって、壷井の名前が書かれたタオルを掲げる観客もいた。
SPを終え、壷井は、技術点(TES)が38.75、演技構成点(PCS)が37.09、減点は1で合計点が74.84となり、30人中11位でのスタートとなった。
今季ジュニアからシニアへデビューした壷井にとって、全日本は最も大きな大会で、重圧もあった。演技後のインタビューで、壷井は「ジュニアの選手が追い上げてくる中で、守らなければならない立場を少しずつ感じるようになってきましたし、そういったプレッシャーをすごい今まで以上に感じる舞台だった。」と振り返った。
転倒した4回転サルコウについては、「練習だともう少し勢いをつけることができたが、本番では守りに入ってしまった。最後に自分のためを作り切れないまま上がってしまったので、力が上手に伝わらなかった」と語った。25日のフリーの演技に向けて「本当にショートのミスが悔しいので、フリーでは完ぺきな演技を目指したい。今年最後の試合なので悔いが残らないようにしたい。」と意気込んだ。
また、前日の女子SPで、同じコーチの下で練習する坂本花織(シスメックス、SP1位)、三原舞依(シスメックス、SP2位)、三宅咲綺(岡山理科大、SP5位)の3人が好成績を残したところ、「勢いに乗っていきたかった」としつつ、「自分も追いてかれたくないので、がんばります。」と締めた。
25日(日)17時から、SPの上位24人によるFS(フリースケーティング)の演技が行われる。今大会は、2023年2月にアメリカで行われる四大陸選手権と、3月に埼玉県で行われる世界選手権の日本代表最終選考会を兼ねている。今大会の結果次第では壷井選手も選出される可能性がある。
《第91回全日本フィギュアスケート選手権大会 男子SP》
了
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