12月19日、神戸大交響楽団が兵庫県立芸術文化センターのKOBELCO大ホールで第75回定期演奏会を開催した。創団110周年という節目の演奏会となり、ロシアやフィンランドの作曲家による楽曲を披露した。<川﨑成真>
神戸大交響楽団は約130人の団員を抱える大学公認の学生オーケストラだ。戦前の1915年に神戸高等商業学校(神戸大の社会科学系学部の前身)の学生によって立ち上げられ、今年で創団110周年を迎えた。
当日の開演30分前にはホールの入口付近に列ができた。約2000席のホールは7割ほどが埋まる盛況ぶり。
ロシアの作曲家、N.リムスキー=コルサコフのオペラ作品『皇帝の花嫁』で開幕。学生団員の今西夏輝さんが指揮を務めた。複数の主題が交錯しながら、最後は穏やかな眠りにつくような展開だ。
2曲目は、P.チャイコフスキーの幻想序曲「ロメオとジュリエット」。ここからは客演指揮の新田ユリさんが指揮を務めた。クラリネットとファゴットによる荘厳な序奏から始まった。曲中では、「愛のテーマ」と「闘いのテーマ」が絡み合いながらロミオとジュリエットの物語が表現された。
J.シベリウスの「交響曲第1番ホ短調」は、4つの楽章から構成され、楽章を越えて主題が回帰する「循環形式」と呼ばれる構成を取る。団員たちは緩急をつけながら一体感のある演奏を披露した。約40分間にわたる演奏が終わると、観客たちの拍手がしばらく鳴りつづけた。
会場には団員の父母をはじめ、たくさんの観客が詰めかけた。コントラバス奏者の娘(国人・4)の演奏を見に来たという女性は、「(演奏している姿を見て)うまくなったなぁと感じた」と目を細めた。
交響楽団には他大学の学生も参加している。兵庫県立大の教員を務めている男性は、教え子が奏者として出演しているので聴きに来たという。県立大には交響楽団がないといい、「自分も音楽をやっているので、うちの大学でもこんなコンサートができたらなぁと思う」と思いを語った。
(画像下:第75回定期演奏会のリーフレット)

了
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