神戸大学ニュースネット委員会 阪神・淡路大震災から22年 「災後」今も続く
夜を越えて

学生震災救援隊「のんびり過ごす会」開く
2017年1月17日 記者=下島奈菜恵・瀧本善斗

 学内のボランティアサークル、学生震災救援隊は16日、恒例の「1.17をのんびり過ごす会」を開いた。会場となったサポートステーション灘・つどいの家にはOB・OGや、救援隊の活動に関わる人々約30人が集まり、学生らと当時を振り返りながら夜を明かした。

【写真】「1.17をのんびり過ごす会」の中で上映された、学生震災救援隊制作の映像特集を見る来場者ら(16日 撮影=瀧本善斗)

 会の冒頭、救援隊代表の安岡勇輝さん(発達・3年)が「阪神・淡路大震災後に生まれた世代でも、さまざまな話を聞き、震災の記憶をつないでいければ」とあいさつ。来場者一同で献杯した。

■熊本支援に奔走の一年 安岡さん

 安岡さんは昨年の最も印象に残る活動に、熊本地震の被災地支援を挙げた。地震が起きたのは代表に就いて間もないころ。「戸惑うこともあったが、自分が先頭を切らなければいけないという思いだった」と話す。

 これまでに4回被災地を訪問。4月末に初めて入った時は「今までは災害はテレビの中の存在だったが大災害直後の場所に初めて行って衝撃を受けた」という。当初は避難所で子どもの遊び相手になったり屋台の手伝ったりした。

 被災者が仮設住宅に入ってからは、被災者が集まる機会を作り孤立を防ごうとしている。救援隊は今後も被災地支援を続ける方針だ。

■映像特集上映 慰霊碑訪ねインタビュー

 会では、救援隊が制作した約1時間の映像特集が上映された。メンバーらが六甲台第1キャンパスや、神戸市灘区の都賀川公園など、市内にある犠牲者慰霊碑の周辺で、通り掛かった震災経験者に話を聞いたもの。神戸で被災し銭湯を求めて尼崎まで歩いたエピソードなどが取り上げられている。

 救援隊に入るまで震災について知識がなかったメンバーも多い。映像を作った江藤恒夫さん(工・2年)は「東灘区出身で幼いころから家族が震災当時の話をしてくれた。救援隊で普段関わる人たちだけでなく、神戸に住む普通の人々も、心の中に震災(の経験)を持っているんだと伝えたかった」という。

 来場者の一人で高羽風の子学童保育所(灘区)の指導員、住友和子さんは映像を見て「当時の辛かったことを思い出した。泣くことでもやもやから解放された思い。良い機会を頂いた」と涙ながらに語った。江藤さんは「場内の様子を見て思いは伝わったのかなと感じ、やって良かったと思う」と感慨深げだった。

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