ボート部遭難事故から6年 遺族と和解

 八月一日発行の、神大経済、経営、法学部の同窓会の機関誌『凌霜』の誌上に、漕艇部の井澤清・元監督からの報告文が掲載され、六年前に淀川でおきた漕艇部の転覆遭難事故で亡くなった三人の部員の遺族と漕艇部との間で、昨年末までにすべて和解が成立していたことが、報告された。
 遭難事故は、一九八九年三月七日、大阪・新淀川で同部のボート二隻が沈み、吉田征広さん(当時工・二年)、河内政人さん(工・一年)、渡辺恒次さん(同)が水死。強風波浪注意報下での練習に問題はなかったか、と新聞報道などで指摘された。同報告によると、翌九〇年三月に吉田さん、河内さんの遺族が調停の申し立てをしたが、同年十二月に吉田さんの遺族とは和解が成立。河内さんの遺族との和解が成立していなかった。
 今年は、事故から七回忌をむかえた。四月二十三日には、事故現場近くの堤防に慰霊碑も建った。慰霊碑には『艇友よ 時は経るとも 君の魂は 我が心の中に 生きん』の文字が刻まれている。関係者は、一応の区切りがついたというが、遺族や、当時の部員にとっては、つらい心の傷が残っている。

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