コラム『伏流水』 日本ダービーに思う

 第56回日本ダービー。四歳馬の頂点を目指すこのレースが今年も行われた。▼大方の予想では、ロイヤルタッチ・イシノサンデー・ダンスインザダークの三頭でかたいといわれていた。いわゆるサンデーサイレンス産駒(さんく)である。しかもダービーは過去一番人気が二着以内に入らないことがしばらくない。今年のG1レースの中でも最もかたいレースと思われた。しかしその一方でとんでもない馬の存在を忘れてしまっていた。▼その名はフサイチコンコルド。過去二戦二勝だが、少し前の熱発で回避まで噂された。その馬がわずか三戦目にして四歳馬の王者となったのである。「オレを甘くみるな」といわんばかりの鋭い目。ダービーにあった数々の伝説を打ち崩した怪児。これからの活躍が非常に楽しみだ。(6月27日発行本紙6月号 コラム『伏流水』から)

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