今年も神宮がジャズで燃えた。全国四十一大学から四十三のバンドが結集する第二十七回山野ビッグバンドジャズコンテストが八月十七、十八の両日、神宮球場にほど近い日本青年館で開催された。千五百人が入るホールは、二階まで立ち見がでるほどの盛況。冷房がきかないほどの熱気に包まれた。
最優秀賞は三年ぶり六回目の慶大。優秀賞は、阪大と、同大が選ばれた。スイングジャーナル社賞に早大。敢闘賞に京大、審査員賞に神大、中大。優秀ソリスト賞に同大の栗田陽介さん、神大の水谷康久さんが選ばれた。
評論家など十人のジャズ界の著名人が審査するため、各バンドとも練習を重ねてこの日に臨んだ。
昨年健闘を見せた関西勢は、今年は京大、立命、同大、関学、阪大、天理大、神大が参加。首都圏の大学が多い中、「彼女元気か」「アホ~」などと声を掛け合い会場を盛り上げ、衣装も、ねじり鉢巻きに法被姿で踊りを交えた阪大、浴衣にアフロヘアの天理大と工夫をこらして関西パワーを炸裂させた。
神大軽音楽部のジャズのメンバーで構成される、KOBEマソック・ジャズ・オーケストラは、四十三バンドの最後に演奏。他の関西勢の大学のような、奇抜な衣装も着ず、ダークカラーのスラックスに、白いシャツとネクタイというオーソドックスないでたち。トリを飾る熱演に、大きな拍手がおくられた。
審査員からは、「今までのイメージとは違った素晴らしい演奏だ。最後を飾るにふさわしいステージだ」と絶賛。「ただ、サド・ジョーンズの曲にしては、縦ノリだったかな」という評。
審査員賞と、ソプラノサックスの水谷康久さんが優秀ソリスト賞を受賞。三年前と同じ、二つのトロフィーを前にして、コンサートマスターの安東まき子さん(工・三年)らは、「すっごいうれしいです。来年は、TBSラジオ賞ぐらいを狙います」と上機嫌。ステージでは、長いソロに喝采を浴びた水谷さんは、「自分たちが楽しんで演奏したのが認められてうれしい」と喜びをかみしめていた。
■受賞者はつぎのとおり。
▽最優秀賞 慶大ライト・ミュージック・ソサエティ
▽優秀賞 阪大ザ・ニュー・ウェイヴ・ジャズ・オーケストラ、
同大ザ・サード・ハード・オーケストラ
▽スイングジャーナル社賞 早大ハイ・ソサエティ・オーケストラ
▽TBSラジオ賞 日医大ミッドナイト・サウンズ・ジャズ・オーケストラ
▽最優秀ソリスト賞
明大ニュー・ウェイヴ・ジャズ・オーケストラ 河野篤司(Tサックス)
▽優秀ソリスト賞
同大ザ・サード・ハード・オーケストラ 栗田陽介(Tサックス)、
神大KOBEマソック・ジャズ・オーケストラ 水谷康久(Sサックス)
▽特別賞 明大ビッグ・サウンズ・ソサエティ・オーケストラ
▽敢闘賞 京大ダークブルー・ニュー・サウンズ・オーケストラ
▽審査員賞 神大KOBEマソック・ジャズ・オーケストラ、
中大スウィング・クリスタル・オーケストラ
▽奨励賞 駿台大モダン・ジャズ・研究会 青木佐知子(ピアノ)
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