大学ジャズのビッグバンドの甲子園といわれる、第二十八回山野ビッグバンドジャズコンテストが始まった。東京・日本青年会館で二日間にわたり、初出場の中京大、今年は最高賞をねらう阪大、同大、昨年審査員賞を受賞してさらに上を狙う神戸大など四十四大学から過去最多の四十七バンドが出演。それぞれ個性豊かな演奏を披露した。【八月十六日 神戸大NEWS NET=UNN】
東京は肌寒い曇り空だが、神宮の森の、日本青年会館大ホールは熱気に包まれた。
初日の十六日は、開場前から入り口に行列ができ、約千四百の大ホールの座席ははすぐに満席に。立ち見の観客が出るほどの盛況ぶりだ。司会のピアニストの国府弘子さんが「今年は昨年以上の熱気で盛り上がって行きましょう」と言うと観客席からは拍手と歓声が起こった。
神戸大は一日目の二十三番目に登場した。
スーツにネクタイという、ちょっぴりまじめなスタイルで登場した神戸大マソック・ジャズ・オーケストラは、初めから迫力のあるサウンドで聴衆を圧倒する。曲はバーネット・ブラウンの「Bachafeelin’」で、去年のコンサートマスターでトロンボーンの安藤まき子さん(工・四年)、ピアノの宮川直子さん(発・三年)、テナーサックスの赤川由朗(営・四年)がソロ演奏を担当した。
続いてややスローな曲、ジェローム・リチャードソンの「Groove Merchant」。再びピアノの宮川さん、そしてベースの河村謙吾さん(済・四年)が独特のリズム感があふれるソロを披露した。演奏の前には関西勢恒例の「アホ~」などとヤジも飛んだが、MCの赤川さんが軽く「うるさいっ」といなして、これまた聴衆を沸かせた。
審査員講評では、テナーサックスプレーヤーの高橋達也さんが「非常に面白い演奏だった」とコメント。特に安藤さんの力強いトロンボーンソロを「女性でこんなパワーをもった人は初めて」と絶賛した。
コンサートマスターを務めた長谷川永さん(工・三年)は、「持てる力を全部出せた。今まででベストのテイクだったと思う」と納得のいった表情。「審査員講評も、毎年きついことを言われるので、今回の言葉はうれしかった」と素直に喜びを見せた。 昨年、審査員賞を受賞した神戸大は、今年はさらに上をねらえるか。結果は、十七日午後七時半すぎに発表される。(矢吹大祐)
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