国立大の教員を組織的に途上国に派遣へ

文部省は、東南アジアなどの開発途上国の人づくりを支援するため、国立大学の教員を組織的に途上国に派遣するシステムを作る方針を固めた。読売新聞が伝えたもので、六月十四日に、中曽根文相の私的諮問機関として、大学関係者らによる「国際教育協力懇談会」を設置し、二〇〇一年度末までに派遣の在り方、規模を検討する。二〇〇二年度から各大学に実施してもらう考えだ。【6月13日 UNN】

 教員の派遣は、これまでも国際協力事業団(JICA)を通じて各大学の判断で行われてきた。渡航費や派遣期間中の給与は支給されるものの、大学に後任の教員の補てんを認めているため、帰国後の教員の身分が不安定になるなどの問題があり、希望者が少なくなっている。九九年度は、各国からの要請計約二千人に対し、派遣は六百九十七人にとどまっている。このうち短期派遣(一年未満)が七割を占め、途上国の要請にこたえられていないのが実態だ。
 このため、文部省は、全国九十九の国立大学の教員定数に派遣定員を上積みする方向で検討する。最低でも各国立大学から常時一人が二年程度、交代で派遣するシステムにする方針だ。
 派遣される教員は、法学部ならば各国政府の法整備への協力、医学部ならば医師や看護婦の養成、農学部ならば農業技術の教育などを担当することになる。
 教員の派遣は、四月に東京と沖縄で開かれた主要八か国(G8)教育相会議の議長総括で、開発途上国の教育システム構築への協力や、教員や学生の交流倍増などが盛り込まれたことを受けた措置。
 懇談会は大学関係者ら十人程度で、座長には中根千枝東大名誉教授が就く見通しだ。

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

月別アーカイブ

サークル・部活総覧

  1. 神戸大のサークル・部活のツイッター・アカウントを探せるぞっ!クリックすると、『神大PORT…
  2.  神戸大学の文化系のサークル・部活(順不同)をジャンル別にリストアップしました。情報は随…
  3. 神戸大学のスポーツ系のサークル・部活(順不同)をジャンル別にリストアップしました。情報は随…
  4. 神戸大学の医学部のサークル・部活(順不同)をジャンル別にリストアップしました。情報は随時更…
ページ上部へ戻る