九月六日付の朝日新聞によると、文部省は、日本の大学、大学院で学ぶ留学生を現在の約五万六千人から十年間で倍増させる新たな受け入れ政策を決定した。【9月6日 UNN】
計画では、大学側が留学希望者の学力をスムーズに把握して合否を決められるように、二〇〇二年度から「日本留学試験」という名称で統一試験を創設。理系志望者には「日本語、理科、数学」、文系希望者には「日本語、総合科目、数学」、の三教科ずつを用意、その中から各大学が受験必要科目を指定する。
新試験は、国内で八ヶ所、海外でもアジアを中心に十ヶ所程度の会場でそれぞれ試験問題を変えて行う予定で、母国にいながら合否の決定を待つことが可能となる。受験機会が広がるように六月、十一月と試験を年二回実施し、さらにインターネットでの出願も検討する。試験での成績優秀者に関しては、入学後の奨学金支給を確約する「渡日前予約奨学金制度」を創設する考えだ。
留学生を多く受け入れることで、高等教育の国際化を目指すとともに、これからの少子化で運営が難しくなる私立大に受け入れ、経営の安定を後押しする目的もある。文部省は、留学の可否を判断するための統一学力テストを二〇〇二年度に創立し、留学希望者が母国で受験できるように海外にも試験会場を設ける。また、留学生獲得の「国際競争」に負けないよう、博士号などの学位授与を積極的に進める考え。
文部省は、アジアの留学希望者が欧米よりも日本の高等教育を受けたいと感じるよう、教育プログラムの改革も進める。文系を中心に学位の「出し渋り」があるのを改め、博士号などを特別視せず、所定の課程を修了すればスムーズに学位を与えるように各大学に強く働きかけるという。
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