文部省が所轄する全国の国立大付属病院が過去十年間で患者側に賠償金を支払った医療事故は五十三件。賠償総額は十三億七千百十五万円に上っていることがこのほど分かった。【9月7日 UNN】
八月十七日付の毎日新聞によると、文部省が過去十年間に起こった全国五十九の国立大学付属病院の民事訴訟で病院側が敗訴か、和解・調停が成立した事故と、訴訟前に示談になった事故のケースを集計した。
このうち病院側の敗訴や和解で賠償した大学別の件数は東京大の六件が最多。原因には三つの付属病院の病床数が千を超え、一日の外来患者数が三千人以上である事が考えられる。また、最先端医療が事故につながりやすいことも示唆している。
五十三件の内訳は、敗訴十五件、和解・調停二十九件、示談九件。示談した病院名は明らかにしていないが、敗訴・和解した病院は二十五病院あり、その中で二回以上事故を起こしたのは十二病院に上る。また、敗訴・和解の件数が多いのは、東京大(医科学研究所を含む)の六件、東京医科歯科大と信州大の各三件が続いている。
示談を含めた一件あたりの賠償額は平均二千五百八十七万円。厚生省所管の国立病院・療養所数に比べ、病院数が少ない割に賠償金を支払った病院数の割合が高い。
すでに明らかになっている国立病院や療養所と同様、国立大学病院についての情報公開の規定はなく、実態が判明したのは初めて。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。