ヴァイツゼッカー元独大統領 六甲台講堂で公演

九月二十五日、午後三時から神戸大六甲台講堂でリヒャルトフォン・ヴァイツゼッカー博士への神戸大学名誉博士称号授与式および同氏の特別講演が行われた。【9月25日 UNN】

 ドイツ連邦共和国大統領(一九八四から一九九四)を務めた、リヒャルト・フォン・ヴァイツゼッカーさんの講演を聴こうと、八百を越える人が六甲大講堂に訪れた。神戸大の教職員、学生以外に駐大阪ドイツ領事館を通じて、同氏に繋がりのある人々も足を運んでいた。
 ヴァイツゼッカーさんは全世界の人々から「ドイツの良心」として高く尊敬されている。今回の名誉博士称号授与はそうした同氏の功績や業績に対して行われることとなった。ドイツ人では初の称号授与だ。
 同氏は講演で「モラルのない政治・政策は空白なイデオロギーを形成し、二十世紀の失敗を導くことになった」と話し、「前の世代の過ちから教訓を得て、全ての民族に自由な発展をもたらすことができるのは現代の若者である」と学生に話しかけていた。
 日独の学術的交流は百年近くに渡っている。現在も神戸大ではドイツの四つの大学と学部間で学術交流協定を結んでおり、教員や学生の交流が活発に行われている。そういった意味でも今回、ヴァイツゼッカーさんが神戸大の名誉教授になることでもたらされる意義は非常に大きい。最後に同氏は「神戸大の卒業生になれることを嬉しく思う」と話した。

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