結核予防会結核研究所によると、周りの人に結核をうつす恐れのある病状の人でなければ、社会生活に支障はなく、周囲の人たちも心配する必要はないとしている。【10月9日 神戸大NEWS NET=UNN】
結核予防会結核研究所のホームページ(http://www.jata.or.jp/)で、結核予防会の島尾忠男会長 は、ある大学の集団感染の事例をあげ、町の人がその大学生全体を皆危険な患者とみなして、「学生さんの下宿を引き受けて大丈夫か」とか、「アルバイトにその大学の生徒を雇って大丈夫か」など、常識を逸脱した過剰な反応が見られているケースがある、と指摘。
「感染」と「発病」、「うつす恐れのある人」と「うつす心配ない人」の区別を
うつるということ(感染)と、結核になる(発病)ということ、そして結核になった場合にも、周りの人に結核をうつす恐れのある病状の人(感染性患者)と、うつす心配はない人(非感染性患者)がいるということが全く区別されておらず、結核にうつったといわれただけで、人にうつす恐れがある危険な状態になったというのは誤解、と述べている。
21人は「症状は出ていない」
神戸大の場合、二年生の学生は排菌を伴う結核患者(感染性患者)だったが、現在は入院治療中。集団感染の疑いがあると指摘された二十一人は、ツベルクリン反応で強い陽性反応を示したものの「症状は出ていない」(神戸市保健所)という。今後半年間、発症を防ぐ薬の服用を指導、二年間、追跡検診を続けるなどの予防措置を行う。
外来治療できる病状なら、うつる恐れはない
島尾忠男会長は、「うつったというだけでその人を敬遠するのは全くナンセンスであり、その人の人権を侵す行為であるともいえましょう。もし不幸にして結核になったとしても、主治医が外来で治療できるという病状であれば、うつる恐れはありません」「病む人を治るまで暖かく見守ってあげ、早く治すのに協力するのが、共同生活をしている社会でのお互いの良識」と主張している。
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