ラクロス部のホームページ(HP)が、チケットやグッズの販売を理由に学生部からHP運用停止の処分を受けた問題で、「インターネット学生協議会」(SCIN)の役割がクローズアップされている。次々に学内で起きるネット関連のトラブルを、学生と教官がどう解いていくのかは、「眠れるSCIN」が立ち上がるかどうかにかかっている。【11月7日 神戸大NEWS NET=UNN】
神戸大独自の「インターネット学生協議会」
「インターネット学生協議会」(SCIN)は、一九九九年に独立公認団体になった学生の団体。学生部のサーバーにHPを持つクラブ・サークルの連合体。体育会、文化総部などの四団体連合と並ぶ、いわばネット団連ともいえるユニークな位置付けだ。
当初、学生団体のサーバーを運営形態ついては、教官グループが管理する「電通大型」か、学生団連にサーバーを自主運営させる「京大体育会型」か、学生の運営サークルにゆだねる「関学型」かで議論されたが、神戸大では、教官サイドの「ホームページ小委員会」と学生団体側の「インターネット学生協議会」(SCIN)の「協調」のもとで運営する方向が決められた独自の「神戸大型」。他大学からも注目されてスタートした。
しかし、今回は、「ホームページ小委員会」からの突然のHP運用停止措置(ラクロス部とボート部)に、SCINは一月も沈黙を守っている。
33クラブ・サークルが結束して設立
そもそもSCINの発足のきっかけは、一九九七年の十一月。大学内のサーバーからクラブ・サークルのHPが出ていくように学生課からの要請があったことを受け、三十三クラブ・サークルが結束。九八年三月に準備会を結成し、学生部のホームページ小委員会との交渉窓口として発足。公認団体だけでなく、同好会も含めて学生部サーバーにクラブ・サークルのHPが残る道を獲得した歴史がある。
忘れられた「自主解決」の道
当初の「活動内容の細則案」では、加盟団体のHPが公序良俗に反している場合には、学生部からの指導・運用停止を受ける前に、自主的にSCIN内部で解決できる道をつくろうという議論があった。(「SCIN設立の経緯」http://www.std.kobe-u.ac.jp/newsnet/server.htm参照)
しかし、一九九九年十一月のSCIN「新規約案」には、そうした自主解決の「精神」は盛り込まれず、幹事会に同好会グループが加わる事も漏れている。
また、九八年に学生部の新サーバーのスタート時に、 アイセックとアポロンのリンク不許可という「事件」が発生。大学側からサイト上の広告が「営利を目的とした行為に抵触する恐れがある」とされたためだ。しかし、これに対してSCINは、広告に関する内規を独自に策定しようと議論があったものの、これも結局、新規約案には盛り込まれずじまいだった。
「SCINよ、目を覚ませ!」
今年の九月まで学生部のサーバー管理教官を担当していた理学部の洲崎敏伸助教授は、ニュースネットの取材に「インターネット学生協議会よ、目を覚ませ!」というメッセージを寄せている。まさに、今、SCINの役割が試されているといえる。
学生部のメールアドレスを使った「スニーカー販売」事件や、スパムメールの議論など、次々に学内で起きるネット関連の事例は、IT社会の「半歩」先を行く大学ならではのできごとだ。
学内の自然科学、社会科学、人文科学の英知を集めた「議論」を、SCINが学生部とそこに連なる教官・職員ともに深める好機ではないだろうか。
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