ラクロス全日本選手権大会の準決勝が鶴見緑地球技場で行われた。神戸大(関西学生一位)は4-8でラガマフィンズ(クラブチーム二位)に敗れ、三年連続、準決勝で涙を飲んだ。【12月10日 神戸大NEWS NET=UNN】
二年連続で準決勝でクラブチームに敗れ、「三度目の正直」を誓った神戸大。雨は止まず気温は低いが、真の日本一への切符を賭けた戦いだけに、いやがおうにも試合前からベンチとスタンドの意気は揚がる。
立ち上がりは両チームとも我慢の展開。神戸大はG有森、DF西田を中心に、ラガマフィンズの攻撃をしのぎ続け、第1Qを0-0、第2Qを2-2で折り返した。
しかし第3Q、シュートのこぼれ球をAT青木にねじこまれ、勝ち越しを許す。一旦勝ち越すと、そこからは社会人の土俵。老練なテクニックと豊富な経験でゲームを運ばれ、流れは次第にラガマフィンズに傾いた。北浦真主将が「立て直せなかった」と振り返るように、ミスや反則で生まれたすきを巧みにつかれ、点差は見る間に広がった。
神戸大はチームとスタンドが一丸となり、必死の猛追を見せるが、ラガマフィンズのディフェンスにかわされ、得点には結びつかず、無情なホイッスル。今日の雨は、神戸大の涙雨となった。
そぼ降る雨に、白地にオレンジのラインが入った今シーズンからの新ユニフォームがぬれている。四回生はこの試合で引退となった。
その四回生と抱き合う綿健太郎ヘッドコーチ(自然科学研究科)は「最後まで攻めた結果。真の日本一には、いつかきっとなってくれると信じている」と、人目もはばからずに涙を流した。
肩をおとす選手達に、スタンドからは「胸を張れよ」という声援と拍手が送られた。日本一への切符は手に入らなかったが、選手達には何よりの祝福だろう。日本一という「宿題」がいつか、その思いを受け継いだ後輩たちによって果たされる瞬間が来ると信じたい。
●第11回ラクロス全日本選手権大会(12月10日・鶴見緑地球技場)
▽男子準決勝
神 戸 大 0 2 1 1=4
ラガマフィンズ 0 2 2 4=8
【神戸大】田中、北浦、谷口、前田
【ラガマフィンズ】加藤2、青木3、岸、北田、小林
鶴見に涙雨 声援送ったスタンド
小雨が降り続くスタンドには約三十人の応援団のほか、二百人を超える学生、教官、OB、部員らがオレンジ色のメガホンを振った。
前半、好ディフェンスでピンチを防ぎ、押しぎみに試合を進める神戸大にスタンドの歓声も大きくなっていき、先制ゴールを決めると、その歓声は最高潮に達した。同点にされ前半を折り返したものの、互角の試合展開に、観客席は「今年はいけるぞ」と期待が高まった。
後半に入り守勢に回りはじめると、歓声が悲鳴に変わり始めた。
「頑張れ」のコール。ピンチをかわしたときの安堵のため息と、攻められた時の悲鳴が交錯した第3Q。一点差に追いついた際には「まだいける」と応援もヒートアップ。しかし、懸命の応援もむなしく、ホイッスル。
スタンドに向かって、深々と頭を下げる選手達に、熱い拍手が送られた。やがて、「おつかれさま」「来年こそ」と声がかかる。
OB新田健嗣さんは、九五年に決勝に進出した時は一年生部員として声援を送っていたひとり。「今のメンバーは実力的にもいけると思っていただけに残念」と悔しそう。
太田幸里応援団長(農・四年)は「残念です。来年は決勝に行ってほしい」と淡々と語る。
スタジアムの通路から出てくる選手達を、OBやファン、応援団員らが温かく囲んだ。顧問の辻本義幸・国際文化学部助教授は「今年もここまで来れたのはすごい。来年以降も(日本一という)楽しみが残った」と健闘をたたえた。
VALENTIAが連覇に王手 その他準決勝
同日には準決勝がこのほか三試合行われ、男子優勝候補同士の対戦はVALENTIAが慶大を二点差で下し、二連覇に王手をかけた。女子ではWISTERIA、日女体大が決勝に駒を進めた。
●ラクロス全日本選手権大会(12月10日・鶴見緑地球技場、江戸川区臨海球技場)
▽男子準決勝
VALENTIA(クラブチーム1位) 5 3 3 1=12
慶大(関東学生1位) 2 1 4 3=10
▽女子準決勝
WISTERIA 11 7-0 3 甲南女大
(クラブチーム2位) 4-3 (関西学生1位)
【WISTERIA】飯塚3、小林2、高田、家弓、栗原、山本、小園、菅原
【甲南女大】都出、濱崎、友田
日女体大 5 2-2 4 MISTRAL
(関東学生1位)2-2 (クラブチーム1位)
(延長)1-0
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