これまで学部グループ別の八つの同窓会ごとに管理されてきた卒業生の名簿を、全学で一括管理するデータベースの作成が進んでいる。同窓会融和へむけてのステップとしても注目されている。【1月28日　神戸大学NEWS　NET＝ＵＮＮ】

　神戸大学は現在は十学部あるが、同窓会は一九四九年（昭和二十四年）の新制統合時の学部グループ別に活動しており、八つの同窓会に分かれている。
　現在、名簿の印刷発行や会員の管理などのメンテナンスについても八つの同窓会ごとに行っており、会員管理のコストが高くつき負担が大きいのが現状といわれている。なによりも、卒業後の消息は学部ごとにしかわからず、卒業生同士のコミュニケーションに支障をきたしているうえ、現役学生も就職活動などで不便をしいられる状況だ。

　これを改善するために、一月二十七日オープンの神大会館に同窓会のパソコン拠点を作るのを契機に、全学部で共用できる卒業生データベースのシステム構築が進められている。
　このデータベースが稼動すると、学部別だけでなく学科別、学年別、サークル別地域支部別にデータを利用することが可能になる。
　さらに各同窓会を束ねる学友会の場では、システムだけでなく、その運用方法を議論をしている。また、かねて議論されている同窓会を将来どのように融合していくかのステップとしても注目されている。
　システム構築作業を任されているＫＴＣの島常務理事は、「独立行政法人化に向けて、大学の発展のためにも卒業生の力が必要不可欠。そのためにはデータベースの一元化をすることが必須。それに向けて精一杯努力していきたい。」と意気込みを見せている。
　新野幸次郎・学友会会長は、一月二十三日の東京同窓会の新年会で、「すべてのＯＢ名簿を一元的に管理することで、卒業生の連絡もしやすくなる。Ｅメールで一斉連絡もできるようになる」と述べ、将来的にはメールアドレスの配布も念頭に置いたシステムだと説明。同窓生の動向をつかむのは、これからの時代の大学経営にとっても大切なことだと強調した。

《神戸大学の八つの同窓会》　紫陽会（しようかい＝旧教育学部、発達科学部）、六篠会（りくそうかい＝農学部）、文学部同窓会、凌霜会（りょうそうかい＝経済学部・経営学部・法学部）、神緑会（しんりょくかい＝医学部）、ＫＴＣ工学振興会（工学部）、理学部同窓会、翔鶴会（しょうかくかい＝国際文化学部）の八団体。これらを束ねる組織として神戸大学学友会がある。