厚生労働省は、血友病以外の病気で非加熱血液凝固因子製剤の投与を受けた患者が、B型、C型肝炎ウイルスに感染している可能性が高いとして、製剤を投与した八百三の医療機関名を三月二十九日から公表した。神戸大や阪大付属病院も含まれている。新生児出血症などで二十年前に感染した大学生もおり、投与を受けた心当たりのある人たちは、肝炎ウイルスの検査を受けるよう呼び掛けている。検査は公表した医療機関で七月三十一日まで受け付け、費用は無料。【3月29日 UNN】
同省によると、対象者は非加熱製剤が承認された一九七二年から八八年までに、公表された医療機関に血友病以外で入院した人。 こうした患者のうち(1)新生児出血症などで医師から血が止まりにくいと指摘された人、(2)肝硬変や劇症肝炎などで出血が著しかった人、(3)食道静脈りゅう破裂や消化器系の病気で大量に吐血、下血があった人、(4)出産時、手術時に大量に出血したといった人が該当するとみている。既に検査を受けた人でも、改めて検査に協力してほしいとしている。
C型肝炎ウイルスは八八年に発見され、翌年に検査法が確立された。
この問題は、読売新聞が報じた静岡県内の男子大学生(二〇)の事例が発端だった。同紙によると、学生は、新生児の時に血液製剤を使っていた。一九九六年、厚生省(当時)が血液製剤投与者のエイズウイルス感染を調査した際、病院でエイズ検査だけを受けたため、C型肝炎ウイルスの感染を知ったのはその四年後。大学で受けた健康診断だったという。
八百三の医療機関には、神戸大、阪大、京大、大阪市大の医学部付属病院、兵庫医大、大阪医大、関西医大、奈良県立医大、和歌山県立医大付属病院も含まれている。全リストは厚生労働省ホームページhttp://www.mhlw.go.jp/参照。
検査に関する問い合わせは、厚生労働省血液対策課03-5253-1111(内線2730~2732)まで。また日本肝臓病患者団体協議会(電話03-5982-2150)は、非加熱血液製剤によるC型肝炎ウイルスなどの感染実態を把握するため、全国の主要都市で「肝炎ウイルス感染被害110番」を開設する。日時と場所、電話番号は次の通り。
東京03-5982-2150=3月31日、4月1日
名古屋052-604-5625、5626=31日、4月1日
大阪06-6534-0660=31日、4月1日
兵庫078-322-1878、1876=4月1、8日
福岡092-751-2109=31日、4月1日
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