一体感ある会場に注目 自劇公演「嘘は罪」

 自由劇場の公演「嘘は罪~もてない奴らが来るまえに~」が六月三十日、尼崎ピッコロシアターで開かれた。個性の強い人物が織りなす物語を観客は楽しんだ。【6月30日 神戸大学NEWS NET=UNN】

 ダム家の兄弟は東京で暮らしていた。その長男一郎は会社でトラブルを起こし、サイコセラピーセンターへ通うことに。そして治療を通して、過去に犯した罪が明らかになっていく。
 内容は重たく、考えさせられるものだったが、常識を逸脱した登場人物の、派手な演技やギャグが随所にちりばめられ、飽きのこない展開になっていた。
 また、以前にも舞台を囲むように客席を配置したり、何かと会場設定にこだわっている自湯劇場。「悪徳を共有してほしかった」という演出のしのだ素秋さん(工・三年)の言葉通り、会場全体を狭くし、密閉されたような一体感のある雰囲気をつくり出していた。
 同公演は二十七日にも六甲台講堂で公演されたが、あまりの客数のため一部の人が入場できないという事態が生じた。また、六甲台講堂は空調設備が整っていないため、場内が暑く、見づらい環境に。それについてしのだ素秋さんは「(入場できなかった人にも、入場した人にも)たいへん申し訳なかった」とお詫びを述べた。

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