2004年度から医師免許取得後の医師に2年間の研修が義務化されるのを受けて「全国医学部長病院長会議」は研修医制度の基本方針をまとめ19日、厚生労働省に提出した。【3月19日 UNN】
全国79の国公私立大でつくる「全国医学部長病院長会議」は19日、医療の質を高めるため、研修医の公募制を導入するなど、研修医制度の基本方針を厚生労働省に提出した。
受け入れ数に定員枠を設けたうえで、原則として自校出身者を半分以下に抑え、国の研修手当支給などを条件にアルバイト診療も禁止する。
厚生労働省は2002年度末までに研修内容や条件などのあり方をまとめる方針。毎年約8千人の医師を送りだし、7割を研修医として再び受け入れる大学側が国公私で一致してまとめた基本方針は、新制度を検討する軸となりそうだ。
同会議がまとめた方針は、1、大学病院と地域の病院が連携して、研修プログラムを作成、2、研修医を指導する医師数や研修医が担当できる患者数などから定員を算定、と明記。これらの内容は公表し、全国の国家試験合格者から研修医を公募し、自校出身者の比率を半分以下に抑える。
法律で研修が義務化されるのを根拠に「国が研修手当てを支給する」と、国費などによる負担を求めることとした。研修医の身分保証を条件にアルバイト診療も禁止する。
また現在、病院ごとに研修医数の定員制限がなく、手当なども規定がないため、人気のある私立大学付属病院に認数が集中して、研修医は数万円の手当しかないまま長時間労働を強いられる例が少なくない。生活費のためにほかの病院で夜勤当直アルバイトをし、未熟なまま一人で救急患者を担当する問題もある。今年2月、関西医大の研修医過労死訴訟で、大阪地裁は医大側に損害賠償を命じたが、背景にはこうした研修体制の不備があったと指摘されている。
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