法人化後の国立大の組織・運営を検討中の文科省の調査検討会議は3月26日、大学の裁量を大幅に拡大する一方、大学間の競争を促すことを柱とする最終報告をまとめた。法人運営による新たな国立大は2004年春にも誕生する見通し。【3月26日 UNN】
・教職員は「非公務員」で
最終報告の焦点となっていた教職員の身分については、全員を「非公務員」とすることで決着した。 文科省は2003年の通常国会に関連法案を提出、法人運営による新たな国立大は2004年春にも誕生する見通し。
しかし、大学評価の方法によっては国の関与がかえって強まる懸念があるほか、教育研究の条件整備が不十分な地方の大学や小規模な大学の中には、競争原理の導入に対して反発も残っている。
・民間的発想の経営手法を導入へ
最終報告は、国立大学法人法を制定、すべての国立大を早期に一斉に法人化するとした。
法人化後は、自律的な運営を確保。民間的発想の経営手法を導入するために、学外の人が運営に参加するシステムを制度化するよう求めた。
・教育研究と経営 別の機関で意思決定
人事面で打ち出したのは能力主義の徹底。教職員の身分は非公務員とすることで、研究者が企業の経営者を兼ねたり学長を外国人にしたりすることが可能とした。
ただし、非公務員型となることで教職員に不利益がないよう身分保障に対する配慮を求め、退職金の算定期間を通算するための法的措置も必要とした。
学内の意思決定では、教育研究と経営に関する事項をそれぞれ別の機関で審議、最終的には学長が決定するとした。
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