歴史の節目祝う 百周年記念式典

 記念式典やシンポジウムなどを行う神戸大創立百周年記念行事が5月11日、ポートピアホールなどで開かれた。同窓生や現役生など約1200人が集まり、大学の歴史の節目を祝った。【5月11日 神戸大学NEWS NET=UNN】

 行事は記念式典、記念シンポジウム、記念合唱と演奏、記念祝賀会の4部構成。席をほぼ埋め尽くすほどの参加者が集まる盛況振りだった。
 1部の記念式典は午後1時から開式。野上智行学長は式辞の冒頭で、写真などの映像を使いながら神戸大の歴史を紹介した。また、「留学生を受け入れる体制を整えて、世界の拠点大学としての歩みを続けている」として国際性をアピールし、今後について「異文化の中で生活し、学習できる場を作りたい」と展望した。
 式典ではそのほかにも、神戸大の新しいロゴマークが披露され観客の注目を集めていた。

Photo 第2部では「知のマネジメント」をテーマにシンポジウムを開催。基調講演にはベルリン大名誉教授であるホルスト・アルバッハ博士が招かれた。講演では、知識をいかに管理するかを考える「知のマネジメント」の発展過程などが語られ、最後は「蓄積された知識を継承しながら新しい知識を模索する。これが神戸大が百年を迎えるにあたっての課題だ」と締めくくられた。博士の流ちょうな英語で行われた講演だが、観客の多くは同時通訳を頼りに静かに聞き入っていた。
 その後のパネルディスカッションでは、井村裕夫・総合科学技術会議議員、新野幸次郎・神戸都市問題研究所理事長、谷井昭雄・松下電器産業株式会社相談役、佐々木知子・参議院議員という4人の個性的なパネリストと、コーディネーターの根岸哲・神戸大大学院法学研究科教授が登場。基調講演のテーマを受け、教養教育と専門教育、企業と大学の関係などのトピックスについてそれぞれが意見を出した。大学教育をめぐっては「法科大学院があれば法学部はいらないのでは」などの大胆な意見が飛びだす場面もあり、会場も含め盛り上がりを見せた。

Photo 第4部の祝賀会はポートピアホテルに会場を移し、杯を交えてのにぎやかな立食パーティーになった。同窓生同士の旧交を温めたり、現役生との交流を図ったりと和やかな空気のまま行事は閉会に向かった。







【写真下】記念祝賀会で式辞を述べる野上学長(5月11日・ポートピアホールで 撮影=茶谷亮)


●参加者、それぞれの表情

野上智行学長
「現在の神戸大は私自身が知らない戦争や統合・拡張を繰り返した歴史の上にあり、今また次の百年に向かって一歩を踏み出している。これからは、学生がいかに羽ばたくか、どういうチャンスを用意できるかが重要です。100年後の神戸大の予想図は・・・きっと60パーセント以上が海外の学生になっているでしょう。彼らが神戸大で学びたいと思うような大学にしたい」

祝賀会で演舞を披露した西田健志応援団長
「今日は歌の成立順に商神、学生歌、学歌という順番で歌い、歌で歴史をたどってみた。ステージに立つまで、百周年という実感は湧かなかったんですが、『商神』を歌ったときに皆さんが口ずさんでいた。その瞬間に神戸大の歴史のようなものを感じました」

行事の総合司会を務めた住田功一・NHKアナウンサー
「本当に多くの人が百周年を祝う気持ちを持つのはいいことだと思います。ただ、大学の今後を考えると油断してはならない。大学の情報をもっと発信していくことが必要ではないか。なんにしろ今日の式典が百周年全体を盛り上げることにつながればいいですね。百周年は式典だけじゃない」

新野幸次郎・百周年記念事業後援会会長
「たくさんの人の努力でできたこの式典が、神戸大の発展の一つのきっかけになってほしい。学生は言われたことだけをやっていてはダメ。何でもボランタリーにやってみないといけない。学生たちが神戸大で学んで良かったと思えるような、卒業生が誇りにできるような、そんな大学になっていってほしい」

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