学生が企画や運営に参加する、阪神大震災の復興祭「灘チャレンジ2002」が6月2日、都賀川公園で開催された。近所に住む人や学生など、幅広い年齢層の人たちが会場をにぎやかした。【6月5日 神戸大学NEWS NET=UNN】
1995年6月に阪神大震災の復興祭として始まった「灘チャレンジ」も、今年で8回目を数える。復興祭としての色は薄れているが、森下直矢実行委員長(工・2回)が「祭りを通して灘の街を考える」と言うとおり、「地域祭」として根付きつつある。地域の問題を提起していくのも特徴の一つで、「地元とのつながりに、普通の祭りとは違う醍醐味がある」と森下実行委員長。
祭りの当日は天気もよく、さまざまな模擬店やフリーマーケットがテントを連ねていた。総合ボランティアセンター点訳セクションのテントでは、訪れた人がアイマスクを着けながらの粘土細工を体験。視聴覚障害の疑似体験が狙いで、担当者の瀬恒直子さん(農・3年)は「楽しみながら、障害者問題に興味をもつきっかけになれば」と話す。一方、すでに点字や白杖体験を知っているという子供たちも多かったという。
ほかにも、合気道部や落語研究会が出演したステージや、会場に設置されたやぐらで踊る「灘チャ音頭」、会場各所で問題に答えるクイズラリーなど見所は満載。これらイベントの企画・運営はボランティアの学生たちが行った。テキパキと動く学生たちの様子に、近所に住む大日方秀敏さん(51)は「応対も良く、ごみ拾いもくまなくやっていた」と感心した様子。
祭りの会場には最後まで人影が絶えず、盛況の内に幕を閉じた。御影から来たという父娘連れは「地域と密着しててええと思います」と満足げで、腕に抱えられた少女は、父親が「楽しかったな」と問い掛けると「うん」と大きく頷いた。
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