両試合ともに敗れる 百周年記念試合

 神戸大学創立百周年記念学生スポーツ交流試合、アメフット神戸大-京大、タッチフット神戸大-聖和大が西宮スタジアムで行われた。神戸大はアメフット、タッチフットともに敗れ、100年の節目を白星で飾ることはできなかった。【6月9日 神戸大学NEWS NET=UNN】

●第1試合 聖和大に惜敗 女子タッチフットボール

 試合開始前から多くの観客が詰め掛けた西宮スタジアム。神戸大の名物ともいえるパワフルな応援団のリードの元で観客たちが声援を送る中、第1試合、タッチフットの神戸大-聖和大は始まった。

Photo 1994年創部の女子タッチフットボールチーム、神戸大ルークスは3年連続学生日本一と実力・実績ともに学生の頂点に立つ。対する聖和大は関西リーグでしのぎを削る「ライバル」で、先月の春季関西学生トーナメントでは神戸大を破って優勝した強豪チーム。試合は神戸大が春の雪辱を果たせるかにも注目が集まった。

 試合は序盤から息もつかせぬ激しい展開に。第1Q3分、聖和大に先制を許すが、直後にQB清水の約30ヤードTDパスで同点に。第2Q開始直後にも聖和大・WR吉田にTDを決められるが、終了間際、相手の反則などで残り5ヤードまで迫ると、WR池田へのTDパスで同点に追いつき、12-12で前半を折り返した。
 第3Qはこう着状態となるが、第4Q、またしても試合が激しく動く。開始5秒に聖和大が勝ち越しTDを決めると、神戸大も残り1分30秒、WR池田へのTDパスで再度同点に。しかし残り35秒、4度目の勝ち越しを許すと神戸大の粘りもここまで。18-25で敗れ、創立百周年記念事業を白星で飾ることはできなかった。

 創立百周年記念事業ということで今までにない多くの観衆に迎えられた神戸大ルークス。3度追いつくなど粘りを見せた神戸大だったが、最後は試合巧者の聖和大に振りきられた。キャプテン香川をけがで欠くなど、万全の状態ではなかったが、今岡コーチは「点差以上の差があった」と完敗宣言。香川主将も「体力、技術ともに勝てるレベルになかった」と力不足を強調した。「見に来てくれた多くの関係者、お客さんに申し訳ない」と沈痛な表情で頭を下げた今岡コーチ。春の雪辱は秋へと持ち越された。



 また、観客席からも大きなため息が。応援団の内海雅晴さん(理・4)は「百周年だし、神戸は聖和と並ぶ2強だし、絶対勝ってほしかった。勝ってもおかしくなかった。アメフはタッチに負けた分がんばって勝ってほしい」と次に試合を行うレイバンズにエールを送った。

●第2試合 京大に完敗 アメフット

Photo アメフットの試合開始前にはチアリーダーによるパフォーマンスが行われ、タッチフットの試合中以上に増えた観客は華麗なパフォーマンスに見入っていた。また、試合前、観客に配られたジェット風船を一斉に空中に飛ばすなど、工夫を凝らした応援で、試合を迎えるレイバンズを盛り上げた。


【写真】アメフットの試合前、華麗なパフォーマンスを見せるチアリーダー(6月9日・西宮スタジアムで 撮影=土橋いつ子)




Photo しかし、試合は終始、京大ペースで進む。神戸大は京大RB大木、池上などのランプレーで自陣深くまで攻め込まれ、K西にFGを決められるというパターンで、第1Q、第2Q、第3Qにそれぞれ3点ずつ奪われてしまう。
 逆に神戸大はオフェンス陣が完全に沈黙。今春の同大戦、九大戦で効果的だったQB大崎のキーププレーも完全に抑えられ、得点はおろかファーストダウンさえ、なかなか奪うことができない。
第4Q後半にはQB江端のパス攻撃で、この試合初めて敵陣まで攻め込んだが、その直後に京大DB松浦にインターセプトされ、万事休す。神戸大は0-9で破れ、百年の節目を白星で飾ることはできなかった。

 この試合を「春の集大成」(牧野主将)と位置づけて臨んだ神戸大。QB大崎、RB坂東を中心にランプレーで京大に挑んだ。しかし、「(ディフェンスの)システムをきっちりやってくる京大には通じなかった」と矢野ヘッドコーチ。
 牧野主将も「京大は春と秋とでは、まったく強さが違う。春の京大にこんな試合をしていては・・・」と言葉を失った。
 しかし、「今日のランプレーは悪くなかった」とQB大崎は話す。「今の時点の実力が出たんやと思います」と京大との実力差が大きかったことを強調した。

 秋のリーグ戦に向けては「精神的なところから鍛えていかないと」と牧野主将。「もっと自分らが勝ちたいと思うことが大事やと思います」と話した。
 また、「オフェンス陣の精度の向上」を課題に挙げたのは矢野ヘッドコーチ。この試合で先発したQB大崎も「今日の試合もパスが通っていれば、勝てたかもしれない。もっと精度を上げて秋に臨みたい」と話す。
「得点できなければ、勝つことなんてできない」(矢野ヘッドコーチ)。秋に向け、レイバンズの課題が明らかになった。そこを鍛えなおせば、秋リーグでの躍進は見えてくるはずだ。

【写真】RB坂東は得意のランプレーで攻めあがろうとするものの、京大ディフェンスに捕まってしまう(6月9日・西宮スタジアムで 撮影=土橋いつ子)

 試合後、観客席からは「よくやった!」、「つぎもがんばれ!」といった声が上がり、レイバンズをねぎらう拍手が起こった。
 終始、熱心な応援でレイバンズを盛り上げ続けた西田健志・応援団団長(国文・4年)は「結果は残念だったけど、このイベントに選ばれた選手はそのことに誇りを感じて欲しい」と話し、自らの応援に関しては「神戸大をもりあげれてよかった」と満足した様子だった。
 また、試合開始にあたり、始球式を行った野上智行学長は試合後、「最後のパスが決まっていれば・・・」と悔しさをにじませたが、「これからも大胆にああいうプレイしてほしい」とレイバンズにエールを送った。

●神戸大学創立百周年記念事業学生スポーツ交流試合(6月9日・西宮スタジアム)

▽第1試合 女子タッチフットボール

聖和大 6 6 0 13=25
神戸大 6 6 0 6=18

▽第2試合 アメフット

京 大 3 3 3 0=9
神戸大 0 0 0 0=0

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