身近なものとして 過労死シンポ

 若年過労死問題を考えるシンポジウム「ハウ・ツー・リブ 仕事との付き合い方考えたことありますか」が6月11日、エル・おおさかで行われた。神戸大からは法学部樫村ゼミ(法社会学)の学生が参加し、独自のアンケート結果などを使い、発表を行った。【6月14日 神戸大学NEWS NET=UNN】

 このシンポジウムに参加した学生は樫村ゼミの学生と関大・森岡ゼミの学生。学生にしかできない発想、出せない意見を大切にしながら過労死の問題を考える「働き蜂卒業 学生委員会」を結成し、シンポジウムに臨んだ。

 自分たちの専攻する法社会学の見地から、若年過労死を考察した樫村ゼミの学生たちは、森岡ゼミの学生に続いて2番目に発表を行った。発表を行ったのは同ゼミの恒川剛さん(法・3年)と福島知子さん(法・3年)。自分たちが学生・社会人にとったアンケートの結果から学生は「過労死は怖いが自己管理さえすれば、防ぐことはできる」と考えていると結論付けた。しかし、社会人では「上司に気兼ねなく休むことはできない」、「サービス残業は入社時の前提だった」といった意見が出ていることから、学生が社会人の就業状態についてあまりに無知であることを指摘した。  特に恒川さんは「過労死は中年の人に起こることで関係ないと思っていたが、遺族の方に話を聞いたりするうちに職種、年齢、性別問わず起こることだと自覚してきた」と危機感を募らせていた。その他、具体的に過労死を防ぐ方法として「みんなに知ってもらうことが第一歩。遺族の方に話してもらったり、学校の授業に取り入れてもらうのはどうだろう」と提案し、最後は「まじめな人ほど自分の容量を超えて仕事をしてしまう。気づいたら闇の中、では遅いのです。今回私たちが結成した「働き蜂卒業 学生委員会」。いつかこの委員会が解散できる日が来ることを望んでいます」と締めくくった。

 「内用薬」と題したレジュメの作成、スライドを使ったアンケート結果の発表。工夫を凝らした発表に樫村志郎教授は「プレゼンは本当に上手だった。特にスライドなどのITの部分は僕にはなかなかできないよ」と目を細めた。しかし、学生の発表の後に行われた遺族の話、現役社会人による働く現場からの報告などでは、寝ている学生、携帯電話を操作する学生の姿も見られ、これには樫村教授も「やはり身近な問題としてとらえ切れていないんでしょうね」と苦笑いだった。

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