阪神・淡路大震災で学生と教職員合わせて41人の犠牲者が出た神戸大で1月20日、犠牲者追悼のために41本のハクモクレンの記念植樹会が行われ、約100人が参加した。【1月20日 神戸大学NEWS NET=UNN】
記念植樹は阪神・淡路震災復興支援10年委員会(代表、安藤忠雄・東大教授)が呼びかけ、大学と共催で実施した。同委員会は1996年から、ハクモクレンやコブシなど計約30万4000本を復興住宅や学校に植えて、被災地の緑化運動を展開している。大学での植樹は今年が初めて。
農学部西側で午後2時から行われた植樹会には、犠牲者の遺族のほか、学長をはじめとした教職員や神戸市長らも参加した。小雨が降る中での開催となったが、集まった参加者らは静粛に会の進行を見守っていた。
著名な建築家で、植樹会の呼びかけ人代表を務める安藤忠雄教授は「亡くなった学生らに対して何か出来ないかとずっと考えていた。無念だったろうと思いまして」と挨拶。同委員会はこれまで被災地の緑化を進めてきたが、犠牲者追悼の意を込めた植樹は今回が初めてだという。
また、野上智行学長は「(犠牲者たちが)こよなく愛されておられた六甲台に新しい生命が増えた。大切に育てていきたい」と、言葉を震わせながら式辞を述べた。話を聞いていた遺族のなかには、ハンカチで涙を拭う姿も見られた。
その後の記念植樹では、安藤教授や野上学長とともに遺族らも参加し、植えられたハクモクレンに笑顔で砂をかけた。「あの子の命をここにつないごうという気持ちで砂をかけた」と、故・加藤貴光さんの母、律子さん。「成長を見守れるので嬉しく、大切に育ててほしい。二度と命を落とさないように」と、新たな命に故人を重ね合わせた。
今日は大寒。厳しい寒さの日に命を吹き込まれた41個のつぼみは、春には白い花で六甲の学びやを彩るはずだ。
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