演劇部自由劇場の卒業公演「U-禁」が3月7日から10日まで、六甲台講堂で行われた。連日雪の降る寒さの中の公演だったが、劇場内には立ち見がでるほどの観客が熱気のこもった劇に見入った。【3月10日 神戸大学NEWS NET=UNN】
「U-禁」は自由劇場オリジナルのストーリー。今日の公演で引退予定の自劇のベテラン役者陣扮する14人が登場し、先の見えない将来に悩む青春群像を描く。
物語の主役は、無為な生活を続ける13人の男女。そのうちの一人、大学生のトキオは、卒業を控えてもやりたいことを見つけられない自分にいらだっていた。しかし、別の形で将来に不安を抱く高校時代の仲間との再会などを通し、悩むだけでアクションを見せなかった自分を再確認。とりあえず何か動き出そう、と決意する。
劇中では、呼吸のあったダンスシーンなどの見せ場のほか、実話も含めたギャグシーンで観客を飽きさせなかった。今回、役者を勤めた友人を見に東京から来た木村忠昭さんは、「本人が楽しそうだったから、こちらも楽しめた」と話す。
一方、今回の劇を、「自分の感情を仮託できる劇にした」と演出のしのだ素秋さん(法・4年)。卒業を控え、それぞれの進路にわかれていく現実世界の役者たちの想いを、同世代の劇中人物たちに託した。「それぞれの道がある。結局は前向きになるしかないじゃない、ということが伝えたかった」としのださん。
また、役者の秋山剛彦さん(甲南大・4年)は4年間を振り返り、「大学イコール自劇だった。仲間たちに『ありがとう』は言わない、『おつかれさま』」と感慨深げだった。
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