3月中旬から中国などで猛威を振るっている重症急性呼吸器症候群(SARS)の影響を受け、神戸大では被害地域への海外渡航予定者に対して渡航の自粛を促したり、帰国・来日者に10日間の自宅待機を要請している。【5月9日 神戸大学NEWS NET=UNN】
◎流行地域への渡航中止求める
大学がSARS感染拡大に対して公式対応を見せたのは4月4日。野上学長の署名で緊急連絡を大学HPなどに掲載し、当時争いが続いていたイラク戦争とSARSの影響を受けて、海外渡航予定者に「良識を持った慎重な行動を」心がけるよう求めた。
続いて23日には、4日の連絡に加えて中国・北京など、新たに感染が進みつつある地域への渡航自粛を同様に要請。同時に、流行地域からの帰国・来日者に対して、強制ではないが「大学全体のために10日間(SARSの潜伏期間)は体調を注意深く見極め」ることを促している。
◎留学生への安否確認、半数を完了
神戸大は大学間・部局間あわせて110の学術交流協定を締結し、海外の大学と提携している。SARS流行が始まった時点でも、休学中の学生を含めた海外への留学生は124人にのぼっていた。これを受けて、留学生課は4月22日から留学生の安否確認を開始。個別の連絡は各学部ごとに行い、連絡の取れた60人の学生に神戸大の対応状況を通知した。
このうち5月8日までに11人が日本に帰国。同課では、それぞれに自宅やホテルで10日間待機し、様子を見るように指示しているという。また、研究などのために中国に滞在していた大学教員らにも、自主的に帰国する動きがあったという。 帰国・来日者については、保健管理センターもSARS対応マニュアルを作成して被害発生時に備えている。兵庫県内では神戸市立中央市民病院をSARS患者の受け入れ施設に指定し、感染の疑いのある場合は大学の付属病院でも診察できるよう協力体制を敷いている。
現在のところ、帰国者からの問い合わせはあるが、発病にいたるケースは確認されていない。
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