5月26日に東北地方で起こった三陸南地震の被害調査報告会が6月9日、工学部の建設系プレゼンテーション室で開かれた。神戸大の教授や院生らが実際に現地で調査した結果を発表した。【6月9日 神戸大学NEWS NET=UNN】
報告会をまとめるのは工学部の高田至郎教授(地震工学)。鳥取県西部、台湾、トルコ地震などの後にも同様の報告会を開いており、今回は教授の門下生ら5人が5月29日から6月1日まで行った現地の視察結果などを報告した。
今回の地震は、これまで宮城県沖で周期的に起こっていたプレート協会の断面がずれるタイプのものとは異なり、海洋プレート内部が崩壊したことが原因と見られている。報告会では、地震や土砂災害発生のメカニズムや被害状況、地震発生時の対応からトルコ地震との比較などの視点から三陸南地震を検証。地震時の緊急対応では、携帯電話を含む電話機能が麻痺した一方で、インターネットを通じた情報発信が威力を発揮したという報告がされた。
高齢者を中心とした人的被害の拡大や、通信規制での混乱など、地震を通して様々な問題が見えてきている。新しいタイプの地震への対応も今後の課題だ。 一方で、補強工事ずみの水道管などに被害がなかったことなどを挙げ、高田教授は「阪神淡路大震災をきっかけに、耐震化対策は確実に効果を発揮してきている」と評価する。比較的被害が小さかった今回の地震を「教育的地震」として捉え、「報告会を開くことで研究意欲を持ってもらい、問題を見つけて今後に生かしていく」と話している。
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