100回公演迎える はちの巣座

 演劇研究会はちの巣座の第100回公演「チロリンマンの逆襲」の公開リハーサルが6月10日、六甲台講堂で行われた。劇の副題は「あなたのお家の残酷喜劇」。崩壊寸前の家族の騒動をリアルに描き、約20人の観客を楽しませた。【6月10日 神戸大学NEWS NET=UNN】

Photo 「この家族、今日で解散するの」。金曜日の朝、物語の舞台になる袴田家にやってきた不思議な女「チロリンマン」はこう言い放つ。会社を首になった父親、不倫未遂の母親、家出を図る娘、登校拒否の息子。それぞれが家族には隠していた秘密を、なぜかお見通しのチロリンマンが暴露を始め、袴田家の関係に亀裂が入る。急速に険悪な雰囲気が物語を包みはじめるなか、チロリンマンだけが高笑い。しかし、ぶつかり合いの中でそれまで交わらなかった家族の思いが見えてきて…。
 全体的に暗いイメージのストーリーが続くが、「暗さを逆におもしろく引き立てるようにした」と演出のおもちゃ箱さん(3年)。家族が互いの不満をまくしたてる場面では、迫力のある長セリフで観客を引き込んだ。
 副題に掲げる通り、現実にありえるかもしれない家族を描いた今回の公演。物語はそれぞれの人物が家族の存在を見つめなおしてラストを迎える。チロリンマンの正体や、彼女の目的だという「逆襲」の意味は最後まで明言はされないが、劇を観れば推理できるはずだ。
 また、今回ではちの巣座は1982年に創部して以来100回目の公演となる。部長の石崎文理さん(発達・3年)は「本当に続いて良かった。これからはもっと学外でも公演していけたらと考えています」。観客に観られる喜びを原動力に、はちの巣座はこれからも歴史を重ねていく。

 「チロリンマンの逆襲」の本公演は6月14日と15日に尼崎ピッコロシアターで上演予定。料金は300円。問い合わせはイケダさん(電話090-1141-7027)、またはイシザキさん(090-5241-9379)まで。

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