演劇部自由劇場の新人公演「スナフキンの手紙」(作=鴻上尚史)が9月6日と7日、六甲台講堂で上演された。真夏日並みの残暑が続くなか、2日間で174人の観客が訪れた。【9月7日 神戸大学NEWS NET=UNN】
1990年代、各地で争いが続く「もう一つの日本」が物語の舞台。国民は日常の生活の影で手に手に武器を取り、無数の民間抵抗勢力に属して戦いに明け暮れていた。「誰が敵で、誰が味方かわからない」。不信が渦巻くなかで、人々は自分の正体を語らなくなっていく。
そんな世界に登場するのは、民間勢力を弾圧する日本政府軍の軍人たちに、民間勢力のカリスマ的存在のアイドル・キャンディーとそのマネージャー、そして死体を売り歩いて自殺を止める、自称「自殺コンサルタント」のセールスマン。追いつ追われつの不思議な関係の6人は、ある時地下室に閉じ込められてしまう。お互いに銃を捨てた6人は、それぞれの隠された秘密を語り出した。
登場した役者6人にとっては、自由劇場での初舞台となった今回の公演。ダンスやギャグシーンも取り入れ、スピーディーな舞台を披露した。超能力を持つ政府の軍事研究員を演じた竹林仙人さん(法・1年)は、「大学から演劇を始めたから、すごく大変。公演中はずっと緊張してました」と振り返る。
「今回の演出のテーマは『戦うこと』。(役者には)隠さないで闘争本能を出して演技しろ、と言いました」と話すのは、演出の十管業之助さん(甲南大・文2年)。「今年の新人は、僕の何倍も芝居バカです。この調子で」と、後輩たちをねぎらった。
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