未踏峰登頂目指す 学術登山隊が調印式

 神戸大山岳会は中国登山協会(CMA)と9月12日、神戸大本部学長室で神戸大創立100周年を記念して行われる「神戸大学東チベット学術登山」に関する議定書に調印した。【9月12日 神戸大学NEWS NET=UNN】

 中国登山協会(CMA)側の李豪傑・交流部副部長ら3人は、野上智行神戸大学長への表敬訪問の後、神戸大山岳会側3人と議定書の調印をとりかわした。調印には、野上学長が立ち会った。議定書は、神戸大ルオニイ登山隊が、中国チベット自治区において登山活動を行うことを認めている。
 調印式の後、特別会議室で行われた記者会見で李副部長は、「神戸山岳会の学術登山が日中の友好につながれば」と述べた。

 神戸大ルオニイ登山隊9名(隊長=平井一正・神戸大名誉教授)は10月2日から11月15日までの約1か月半の日程で、中国チベット自治区にある未踏峰ルオニイ(6610メートル)登頂を目指す。隊には現役の山岳部生1人と、山岳会を中心としたメンバーも参加する。
 ルオニイは、インドとミャンマーの国境に面したチベット東南部にあり、中印国境問題の影響で長い間、外国人の立ち入りが厳しく禁止されてきた。
 神戸大山岳会側は、昨年度秋から登山を申請しており、今年、日中平和友好条約25周年を記念して中国側から学術登山の許可がおりた。新型肺炎(SARS)の影響でチベット全域が封鎖されたため、一時は派遣が危ぶまれたが、沈静化を受け予定通り今回の調印となった。
 記録によると、植物学者のキングドンウオードンが1933年にルオニイ周辺の調査をして以来、2、3人の探検家が入っただけの全くの処女地。ヒマラヤには珍しく、ルオニイは氷河に閉ざされた山容を持つ。
 登山隊は、ルオニイの北東、約14キロに位置するルーショ岩にベースキャンプを張り、現地で通訳、ポーターを雇う予定。食料と、ザイルなど基本的な装備は日本から運ぶ。ベースキャンプからの高度差は約3000メートル。軽量化のため、食料はアルファ米(乾燥米)などドライフーズが中心。
 隊長の平井名誉教授は計画書の中で、「人跡未踏の地域を探検し、地域の人々と交流し、さらにそこにそびえる未踏の山頂を極めることは、何もにも代えがたいロマンであり、一つの文化活動」と述べている。

《訂正》本文中で学術登山隊が登頂に挑戦するのは「ルニオイ山」となっていますが正しくは「ルオニイ山」のでした。お詫びして訂正いたします。(10月3日午前1時00分 編集部入力)

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