救急治療の現場で、心配停止などに陥った重症患者の治療経過などを看護士が音声入力して記録する「電子救急記録システム」を、神戸大付属病院救急部の中村雅彦助手が東京都内のコンピュータソフト会社などと共同開発し、11月16日に同病院に導入した。【11月17日 UNN】
刻々と容態の変わる重症患者の記録は困難で、人手も足りないことからこれまで手書では不十分な面が多かった。全国初の試みで、画期的な記録法として期待される。
救急治療室へ運び込まれた患者の病態などを医師が口にし、それを看護士がマイクにむかって復唱すると、パソコンが音声を認識して、画面上に病態などが文字で書き込まれ、時間も同時に記録する。医療現場でよく使われる医療用語5万語の他に、それらを多く含む多数の例文、略語が登録されていて、病態、治療内容が正確に、詳しく残せる。例えば、「心マ」と言うと「心臓マッサージ」と記録する。同病院で約100人の重症患者に試した結果、音声認識率は90%だった。
急を要する治療にカルテ記入は大きな負担になっていた。中村助手は、こうした作業を省力化するため約3年前にこのシステムを発案、今年4月に試作品をソフト会社と完成させた。
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