女子タッチフットの学生日本一を決める「第12回東西王座決定戦(プリンセスボウル)」が11月23日、王子スタジアムで行われた。5連覇を賭けて臨んだ神戸大ルークスは、決勝で聖和大に14-28で敗れた。【11月23日 神戸大学NEWS NET=UNN】
関西1位の神戸大は、一回戦で成城大(東日本2位)と対戦。パスを中心にゲインを重ね、攻撃のたびにエンドゾーンに詰め寄るが、あと一本がなかなか出ない。逆に、第2Qには成城大QB冬室のランで先制TDを許してしまう。しかしその後はLB池田らのパスブロックなどで相手の前進を阻み、第3Qに1TDを返上。続く第4Q、1点を追う神戸大はQB岸田がG佐々木への20ヤードTDパスを決め、12-7で逆転勝ちを収めた。
「焦りは無かったけど、ランをつぶされ、オフェンスがやりにくかった」と岸田主将。「次の試合ではもっとしっかりと詰めないと」と気合を入れた。
続く決勝戦の相手は、一回戦で慶大(東日本1位)を破った聖和大(関西2位)。昨年に引き続き関西勢同士の頂上対決になった。
前半は聖和大の安定した攻撃に大量リードを許してしまう。聖和大QB滝口の巧妙なパスを次々と通され、第2Qまでで21失点。相手守備の厳しいプレッシャーに、攻撃の切り札のロングパスも不調に悩み、前半は得点を得られない。
後半に入って息を吹き返した神戸大。WR池田、加藤らへのパスがつながり始め、反撃を開始する。聖和大の反則も手伝い、第3Q2分に1TD、第4Q1分にTDと2ポイントコンバージョンを返し、14点を獲得。しかし、反撃もここまで。第4ダウンでの勝負強さを発揮して執念を見せる聖和大に追加点を奪われ、14-28で終了の笛が響いた。
試合後、うなだれる神戸大ベンチの反対側で、高々と聖和大の胴上げが始まっていた。
「受け止めろ。目をそらすな。絶対忘れるな」。今岡コーチは淡々とした口調で選手たちに目を向けさせた。
昨年まで学生4連覇を果たしていた神戸大ルークスには、「負け」を経験した選手はいない。大学時代で初めて日本一を逃し、相手チームの胴上げを眺める選手たち。岸田主将は言葉を探しながら、「聖和よりも努力が足りなかったんでしょう。今は来年のことなんか考えられない」。仲間とともに、唇を噛みしめて涙に耐えた。
決勝については、「オフェンスが自滅した。メンタルのコントロールにスキがあった」と今岡コーチ。「若いチームだから来年がある。負けから逃げてはいけない」と先を見る。平林副主将も「聖和がすごい喜んでいるのを見て悔しかった。この悔しさは忘れない」と涙の裏に決意を込めた。
【写真下】決勝で聖和大に敗れ、涙を流して悔しがる選手たち(11月23日・王子スタジアムで 撮影=岩生航)
●第12回東西大学王座決定戦プリンセスボウル(11月23日・王子スタジアム)
▽第1試合
慶大(東日本1位) 0 6 0 8=14
聖和大(関西2位) 0 6 0 14=20
▽第2試合
神戸大(関西1位) 0 0 6 6=12
成城大(東日本2位) 0 7 0 0=7
▽第3試合
慶大 0 0 0 24=24
成城大 6 7 7 12=32
▽第4試合
神戸大 0 0 6 8=14
聖和大 7 14 0 7=28
▽最終順位
1位 聖和大(5年ぶり5回目)
2位 神戸大
3位 成城大
4位 慶大
▽MVP(最優秀選手)
滝口弥生(聖和大・2年)
▽BEST-6
長岡歩美(聖和大・2年)
池田純子(神戸大・4年)
佐々木和佳(神戸大・3年)
八鬼愛(成城大・4年)
冬室尚子(成城大・4年)
岡本祥公子(慶大・4年)
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