神戸大医学部付属病院の松尾雅文教授らは12月3日、遺伝子変異で筋肉が働かないデュシェンヌ型筋ジストロフィー患者に続けていた人工の合成DNAによる治療で、一連の投与が終了し、効果を確認したと発表した。患者の小学4年の男児は同日、退院した。【12月4日 UNN】
デュシェンヌ型筋ジストロフィー患者に対して合成DNAを使うのは世界的に例のない治療法。
この小4男児は筋肉を形作るタンパク質「ジストロフィン」をつくる遺伝子が欠けており、神戸大医学部の松尾雅文教授らは2003年10月29日から11月19日まで、計4回にわたって男児に人工の合成DNAを投与した。
結果、患者の体内からタンパク質生成に必要な伝令RNAが確認され、懸念されていた副作用もなく、男児は退院。合成DNAの投与は今後も定期的に続けられる。
まだ筋肉内のたんぱく質生成を確認する検査の結果は出ていないが、合成DNA治療は体内に正常なものとほぼ同じ機能を持つジストロフィンをつくらせ、筋ジスの症状の緩和が期待できるようだ。
デュシェンヌ型筋ジストロフィーは男児3500人に1人の割合で、4~5才で発症、進行が速いため、20才前後で死亡するケースが多い。
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